「福祉サービスの組織と経営」の出題傾向と勉強法

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科目別 出題傾向と勉強法シリーズ
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第39回に向けた学習の順番を整理します

第30回から第38回までの9回・61問を出題基準の大項目に振り分けて集計しました。その結果から、限られた時間で取り組む順番は次のようになります。

1 社会福祉法人の機関(評議員会・理事会・監事の役割と権限)と、特定非営利活動法人との違い
 ↓
2 会計管理と財務管理(貸借対照表の借方と貸方、計算書類の種類、減価償却、社会福祉充実残額、決算の承認プロセス)

 ↓
3 サービスの質の管理(福祉サービス第三者評価、苦情解決の三段階、リスクマネジメント)

 ↓
4 組織運営の基礎理論とリーダーシップの理論、そこで出てくる人名

 ↓
5 人事評価の4用語(目標管理制度、360度評価、ハロー効果、コンピテンシー)と、OJT・OFF-JTの区別

 ↓
6 労働安全衛生法と育児・介護休業法の現行規定

出題数だけでみれば2の会計管理と財務管理が9問で最多ですが、まずは法人の内容がわかっていないと会計や財務の問題は理解できないと思われます。第38回問127の決算の承認プロセスや社会福祉充実残額も法人に関する知識ありきの問題になっています。法人内の構造がわからないまま計算書類だけを覚えても、選択肢の正誤は判断できないのでまずは上記1そして2と進んでいきましょう。

1から3までが大項目1と大項目3の中心部分にあたり、ここだけで61問中30問を占めます。4は人名を一緒に押さえると解きやすくなります。また、5と6は覚える範囲が限られており問題がシンプルなので、直前期でもある程度は対応できると思います。

*なお、この分類は1問につき主たる項目を1つだけ割り当てたものです。実際の試験では複数の項目にまたがる選択肢も出ますので、学習の目安としてご利用ください。

組織と経営の記事マップはこちらです。お役にたてる記事があると嬉しいです。
福祉サービスの組織と経営 記事map

気になる人名問題について

61問のうち10問に人名が登場しており、第31回・第33回・第34回・第36回・第38回の5回で出ています。第33回にいたっては7問中5問が人名を含む出題でした。人名を覚える順番が気になる方はこちらをご参照ください。
「福祉サービスの組織と経営」人名覚える順番

リーダーシップは第31回・第33回・第34回・第37回の4回で1問ずつ出ています。
第34回問121と第37回問126はどちらもシェアード・リーダーシップが正答でした。

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新カリキュラムの特徴

2つ選びなさいが増加

第37回・第38回の12問の内訳は次のとおりです。
大項目1(福祉サービスに係る組織や団体の概要と役割) 合計3問
大項目2(福祉サービスの組織と運営に係る基礎理論) 合計3問
大項目3(福祉サービス提供組織の経営と実際) 合計5問
大項目4(福祉人材のマネジメント) 合計1問

この2回で目立つのは、2つ選ぶ形式の増加です。第30回から第38回までの61問全体では2つ選ぶ問題が10問ですが、第38回は6問中3問がこの形式でした。

1つ選ぶ問題であれば消去法が使えますが、2つ選ぶ問題では選択肢を1つずつ判断する必要があります。やや難しく感じる要素になっていると思われます。

初めて出題された単語が増加傾向

この2回で新しく登場した用語もあります。
第38回問124の社会福祉連携推進法人
第38回問126の心理的安全
第38回問125のダブル・ループ学習
第38回問128のブルー・オーシャン戦略とコア・コンピテンス理論とリソース・ベースド・ビューとSDCAサイクルです。

事例問題増加

事例形式は61問中5問(第30回問120、第36回問124、第37回問124、第37回問127、第38回問125)です。第37回は6問中2問が事例でしたので、この形式は今後も続くとみておいたほうがよいと思います。

上記の分析の詳細を確認したい方は、グラフなどでまとめてありますので、ご確認ください。何を勉強したらよいのかだけ知りたいという方はここまでで大丈夫です。

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福祉サービスの組織と経営は6問、出題基準は4つの大項目

第36回までは各回7問でしたが、第37回からの新カリキュラムでは各回6問になりました。

社会福祉振興・試験センターが公表している出題基準では、この科目は次の4つの大項目に分かれています。
1 福祉サービスに係る組織や団体の概要と役割
2 福祉サービスの組織と運営に係る基礎理論
3 福祉サービス提供組織の経営と実際
4 福祉人材のマネジメント

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大項目別の出題数は「経営と実際」に集中しています

この記事では、第30回から第38回までの9回・61問を、現行の出題基準の大項目に1問ずつ割り当てて集計しました。複数の項目にまたがる問題は、正答の論点にあたる項目を1つだけ選んでいます。

1 福祉サービスに係る組織や団体の概要と役割 社会福祉法人、特定非営利活動法人、評議員会・理事会・監事 13問 2 福祉サービスの組織と運営に係る基礎理論 人名と学説、組織構造、集団の力学、リーダーシップ理論 15問 3 福祉サービス提供組織の経営と実際 貸借対照表、第三者評価、苦情解決、リスクマネジメント、経営戦略 24問 4 福祉人材のマネジメント 人事評価の用語、OJT・OFF-JT、労働安全衛生法、育児・介護休業法 9問 第30回から第38回までの9回・61問 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

61問のうち24問が大項目3に入ります。9回すべてで2問以上が出ており、第31回は7問中5問がこの項目でした。出題数でみれば、この科目の中心は大項目3です。

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大項目1は「法人の種類」が出題されます

大項目1 福祉サービスに係る組織や団体の概要と役割 13問 社会福祉法人 7問 特定非営利活動法人 3問 複数の法人種別を横断 3問 横断する3問に出てきた法人 第33回問120 社会医療法人、医療法人、消費生活協同組合、自治会・町内会 第35回問121 社会医療法人、医療法人、株式会社、市民団体 第38回問124 一般社団法人、公益財団法人、社会福祉連携推進法人、医療法人 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

社会福祉法人では、評議員という語が9問、理事という語が9問、監事という語が5問に登場します。評議員会が議決する事項、理事会が決定する事項、監事が監査する対象という三者の役割分担が繰り返し問われてきました

横断する3問では医療法人が3回とも出てきます。1つの法人を深く追うよりも、設立の手続き、収益事業の可否、剰余金配当の可否といった同じ観点で法人を横に並べるほうが解けるようになります。

設立の手続き

設立の手続きでは、社会福祉法人は認可、特定非営利活動法人は認証です。この違いが問われることがあります。第37回問124は、特定非営利活動法人を解散して社会福祉法人を設立する事例で、所轄庁である県からの認可を受けるという選択肢が正答でした。

社会福祉事業と公益事業・収益事業の関係も繰り返し問われています。社会福祉法人は、社会福祉事業に支障がない限り、公益事業や収益事業を行うことができます。この一文を正確に判断できるかどうかです。

社会福祉連携推進法人と労働者協同組合は、どちらも2022年(令和4年)の施行です。第38回問124では社会福祉連携推進法人が出ました。まだ出題の蓄積が少ない分、基本の定義は確認しておいてください。

第一種・第二種社会福祉事業は他科目にもつながります

社会福祉事業には第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業がありますが、この知識はこの科目だけのものではありません。

たとえば「救護施設や更生施設は、民間営利法人が参入できる」という選択肢があったとします。これは生活保護法に関する問題ですが、正誤を判断するには、第一種社会福祉事業の経営主体が原則として国・地方公共団体・社会福祉法人であるという知識が必要です。

社会福祉の原理と政策でも、社会福祉事業の理解が前提となる問題が出ます。この科目で社会福祉事業を正しく理解しておくと、他科目の勉強にもそのまま効いてきます。

大項目2では「人名」や「理論名」がダイレクトに出題されます

大項目2 福祉サービスの組織と運営に係る基礎理論 15問 組織運営に関する基礎理論 科学的管理法、ホーソン実験、公式組織と非公式組織、組織構造、動機づけ 8問 リーダーシップに関する基礎理論 PM理論、SL理論、パス・ゴール理論、シェアード・リーダーシップ 4問 集団の力学に関する基礎理論 集団の凝集性、集団浅慮、コンフリクト、心理的安全 3問 15問のうち10問に人名が登場します(第31・33・34・36・38回)。 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

この大項目の特徴は、研究者の名前がそのまま選択肢に並ぶことです。61問のうち10問に人名が登場しており、第31回・第33回・第34回・第36回・第38回の5回で出ています。第33回にいたっては7問中5問が人名を含む出題でした。
「福祉サービスの組織と経営」人名覚える順番

リーダーシップは第31回・第33回・第34回・第37回の4回で1問ずつ出ています。
第34回問121と第37回問126はどちらもシェアード・リーダーシップが正答でした。

大項目3「財務管理」と「経営管理」が鍵!

大項目3の24問を中項目に分けると、次のようになります。

大項目3 福祉サービス提供組織の経営と実際 24問 会計管理と財務管理 貸借対照表、計算書類、減価償却、社会福祉充実残額、ファンドレイジング 9問 適切な福祉サービスの経営管理 第三者評価、苦情解決、リスクマネジメント、ドナベディアン 8問 経営体制(経営戦略を含む) ドメイン、バランス・スコアカード、ブルー・オーシャン戦略 3問 コンプライアンスとガバナンス コンプライアンス、アカウンタビリティ、CSR、CSV 3問 情報管理 個人情報保護法、要配慮個人情報 1問 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

会計管理と財務管理、適切な福祉サービスの経営管理の2つで17問を占めます。大項目3に取り組むときは、この2つを先に固めることになります。

会計管理と財務管理は9回中8回で出題されています

会計管理と財務管理は9問あり、第35回を除く8回に1問以上入っています。出題された論点は次のとおりです。

会計管理と財務管理 9回中8回で出題 9問 試験回 問われた内容 第30回問122 社会福祉充実残額の算定 第31回問121 貸借対照表の借方が示すもの 第32回問122 寄附への所得控除と法人の財源 第32回問125 貸借対照表の貸借一致 第33回問124 減価償却の意味 第34回問123 クラウドファンディング 第36回問122 ファンドレイジング 第37回問129 計算書類と事業区分 第38回問127 決算期の計算書類の承認プロセス 第35回はこの中項目からの出題がなく、選択肢の中に会計の記述が入る形でした。 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

・貸借対照表を問う出題が第31回・第32回・第37回と繰り返されています。借方が資金の運用形態、貸方が資金の調達源泉という対応と、資産の部合計が負債と純資産の部の合計に一致することを押さえておけば、この3問はいずれも判断できます。

・第38回問127は、監事が監査し、理事会が承認し、評議員会が承認するという順番を問うものでした。会計の知識ではなく社会福祉法人の機関の権限を問う出題ですので、大項目1と一緒に確認しておくとよいと思います。

第三者評価・苦情解決・リスクマネジメント・サービスの質の考え方は同じ出題数

適切な福祉サービスの経営管理 8問 テーマ 出題された回と問題番号 福祉サービス第三者評価 第30回問124 第35回問125 苦情解決 第31回問124 第37回問127 リスクマネジメント 第31回問122 第34回問124 サービスの質の考え方 第30回問123 第31回問123 サービス・プロフィット・チェーン、ドナベディアン 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

苦情解決については、事業者の苦情受付担当者、第三者委員、運営適正化委員会と、様々な条文や制度が用意されていますが、第37回問127は、第三者委員に相談しても改善しない場合、運営適正化委員会が利用できるという問題でした。

大項目4:人事評価と労働環境

大項目4は全体で9問と最も出題数が少ない項目です。

大項目4 福祉人材のマネジメント 9問 人事評価と人材マネジメント 目標管理制度、360度評価、ハロー効果、コンピテンシー 4問 福祉人材の育成 OJT、OFF-JT、エルダー制度、経験学習モデル、SECIモデル 2問 働きやすい労働環境の整備 労働安全衛生法、育児・介護休業法 2問 人材確保の状況 介護人材の需給、離職率、EPAによる受入れ 1問 人事評価の4問は第31回問125、第34回問122、第35回問124、第38回問129です。 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

・人事評価では、目標管理制度、360度評価、ハロー効果、コンピテンシーの4つが繰り返し登場します。第31回問125、第34回問122、第35回問124、第38回問129は、この4つの用語の定義を入れ替えて誤りをつくる形式でした。

・働きやすい労働環境の整備では、第34回問125が労働安全衛生法のストレスチェックとパワーハラスメント、第36回問125が育児・介護休業法でした。労働関係の法令は改正が続いていますので、過去問の記述をそのまま覚えるのではなく、現行の規定を確認してください。

なお第37回は、6問すべてが大項目1から3までに入り、大項目4からの出題がありませんでした。

「単語」に焦点をあてた分析

61問の問題文と選択肢の全文から語句を集計した結果が次のとおりです。「延べ」は総出現回数、「問数」は61問中で登場した問題数、「出題回」は9回中で登場した試験回数です。

語句 延べ 問数 出題回 リーダーシップ(リーダー) 70 6 5 財務・会計 貸借対照表、計算書類、減価償却、資金 48 11 9 社会福祉法人 38 18 8 評価 人事評価、第三者評価 38 12 5 特定非営利活動法人 27 7 6 集団 凝集性、集団浅慮、コンフリクト 26 5 5 労働・雇用(休業を含む) 26 7 5 リスク 事故、危機管理 25 5 4 理事(理事会・理事長) 20 9 6 評議員(評議員会) 18 9 7 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

リーダーシップは延べ70回で最多ですが、出たのは6問・5回だけです。1問まるごとリーダーシップという出題が4問あるので、そこに数が集中しています。社会福祉法人は延べ38回と少なく見えて、18問・8回に散らばっています。
延べ回数が多い語は一部の回に固まっていて、
問数と出題回が多い語は毎年のように出ている、と読んでください。

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