「福祉サービスの組織と経営」は、以前はかなり「人名暗記」に近い科目だった・・・というのが私の印象です。テイラーは?メイヨーは?と、経営学の人名がずらりと並ぶイメージですね。
ところが最近は、コンプライアンスやガバナンス、人材のマネジメントなど、組織を実際に運営する場面に問題の軸がスライドしてきています。人名の丸暗記より「考えれば解ける」問題が増えたぶん、受験生にとっては以前より取り組みやすくなったのではないでしょうか。
この科目は、新カリキュラム(第37回試験〜)では専門科目として6問出題されています。旧カリキュラムでも同じ「福祉サービスの組織と経営」という科目名だったので、科目名の読み替えは不要です。旧カリ時代の過去問や参考書も、そのまま使えます。
出題基準の確認
出題基準の大項目は次の通りです。( )内は直近の4回分の試験での出題数です。
①福祉サービスに係る組織や団体の概要と役割(7)
②福祉サービスの組織と運営に係る基礎理論(8)
③福祉人材のマネジメント(7)
④福祉サービスの管理運営の方法と実際(4)
このうちコンスタントに出題されているのが①②③ですが、①と③は主に法人に関する問題で、②は理論と人名なので、これらを固めることが、この科目の得点の土台になります。
最頻出:社会福祉法人とNPO法人
①の分野の中心は、社会福祉法人と特定非営利活動法人(NPO法人)です。
③にも「経営体制」「会計管理と財務管理」の分野は、社会福祉法人の評議員・理事・監事の関係性、貸借対照表等の財務諸表の理解などが求められるので、①に近い問題です。
出題されるのは「定義」「役割」「税制」「実際」。つまり、何法に基づいて、どのような役割で設立され、所轄庁はどこなのか、という基本の確認です。設立時の「認可」と「認証」の違いも頻出ですね。社会福祉法人は認可、NPO法人は認証。ここが選択肢の入れ替えでよく狙われます。近年の傾向をみると、一般社団や一般財団法人についても理解しておくべきでしょう。

また、社会福祉事業と公益事業・収益事業の関係もよく問われます。「社会福祉法人は、社会福祉事業に支障がない限り、公益事業や収益事業を行うことができる」・・・この一文を正確に判断できるかどうか、です。


そして、いま一番注意したいのが「新しい法人」です。社会福祉連携推進法人(2022年施行)と労働者協同組合(2022年施行)。原理と政策や地域福祉論でも出題されています。まだ出題の蓄積が少ないからこそ、基本の定義だけは必ずおさえておきましょう。

基礎理論は「人名」で整理する
②の基礎理論は、経営学・組織論の理論と人名が中心です。科学的管理法のテイラーから始まり、ホーソン実験、動機づけ理論、そしてリーダーシップ理論へ。この流れは「学説の歴史」として、順番に物語で覚えるのが近道です。
それぞれの出題回数が気になる方はこちらをどうぞ

人名シリーズで順番に整理していますので、こちらをどうぞ。



他科目との関連性:第一種・第二種社会福祉事業
社会福祉事業には第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業がありますが、この知識はこの科目だけのものではありません。各科目を勉強する上で基礎となる、必須の確認事項です。
たとえば、こんな選択肢があったとします。
「救護施設や更生施設は、民間営利法人が参入できる」
これは生活保護関法に関する問題ですが、正誤を導き出すには社会福祉事業の知識(第一種社会福祉事業の経営主体は原則として国・地方公共団体・社会福祉法人)が必須です。「社会福祉の原理と政策」でも、社会福祉事業の理解が前提となる問題が出題されます。
社会福祉事業を正しく理解することが、他科目の勉強にもよい影響を与える。この科目は、そういう「基礎」に該当する問題も出題されています。
意外と解きやすい問題が紛れていることも・・・
組織と経営でほっとする問題が「キャリア形成」「OJTやOFF-JT」「人事考課のエラー」等。テキストを一読するだけで、だいたい理解することができる分野もあります。
ただ法人の種類や人名も必須ですので、このあたりは計画的にすすめましょう。
人名はやり始めると意外と面白いです(たぶん)
少なくとも私の周囲の受講生はそう言ってくれます(大半の学生は)
皆さんも「意外と、いけるのでは?」と思ってもらえますように。
「他の科目の出題傾向と勉強法も、こちらにまとめています。


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