社会福祉協議会の歴史
語呂合わせで、年表を覚えようとしていませんか。法律は、いつできたかではなく、どのような背景で、どのような内容だったかを覚えていないと解けません。時代背景と一緒に、流れで覚えていきましょう。
歴史の勉強の仕方についての記事はこちら
→歴史の勉強の仕方
今回のテーマは社会福祉協議会の歴史
社会福祉協議会(社協)の歴史を、1908年の中央慈善協会から、2025年の基本要項の見直しまで確認します。この歴史の中心は、1951年の社会福祉事業法、1962年の基本要項、1983年の市町村社協の法制化、1992年の新・基本要項、2000年の社会福祉法です。
戦前から戦後直後まで
社協のルーツは、1908年(明治41年)に設立された中央慈善協会にさかのぼります。これは民間の慈善事業を連絡・調整する組織で、戦後の社協につながる源流のひとつとされています。
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→日本の福祉の歴史①|明治期・恤救規則と慈善事業家たち
戦後、1951年(昭和26年)に社会福祉事業法(現在の社会福祉法)が制定され、この時点で都道府県社会福祉協議会と全国社会福祉協議会が法律上に位置づけられました。この段階では、市町村社会福祉協議会はまだ法制化されていません。
国家試験では、次のように出題されました。
×「1951年(昭和26年)に制定された社会福祉事業法で,市町村社会福祉協議会が法制化された。」(第36回問題32)→1951年の社会福祉事業法で法制化されたのは都道府県社協と全国社協です。市町村社協の法制化は1983年です。
基本要項の策定と在宅福祉への展開
社会福祉協議会基本要項策定
1962年(昭和37年)には、社会福祉協議会基本要項が策定されました。各地の社協が10年にわたって積み重ねてきた実践経験を土台に、住民の立場に立ってニーズに向き合う地域福祉の推進役として、社協のあり方を示したものです。
福祉活動専門員が国庫補助の対象へ
1966年度からは、地域に入り込んで住民と直接関わる専門職として、福祉活動専門員(のちのコミュニティソーシャルワーカー)が国庫補助の対象として制度化されました。
「居宅ねたきり老人実態調査」
1968年には、全国社会福祉協議会と民生委員が共同で「居宅ねたきり老人実態調査」を実施し、全国で20万人を超える高齢者が自宅で長期間寝たきり状態にある実態が明らかになりました。この調査を契機に、在宅福祉サービスの必要性が国レベルで認識されるようになりました。
「在宅福祉サービスの戦略」
そして1979年(昭和54年)、社協は「在宅福祉サービスの戦略」を発表しました。ホームヘルプ・デイサービス・配食・相談支援・ボランティア育成といった、後の介護保険制度につながる在宅福祉サービスの体系を全国の市町村社協に示した、最初の全国的な指針です。
国家試験では、次のように出題されました。
×「1962年(昭和37年)に社会福祉協議会基本要項が策定され,在宅福祉サービスを市町村社会福祉協議会の事業として積極的に位置づける方針が示された。」(第36回問題32)→在宅福祉サービスの体系を示したのは、1962年の基本要項ではなく、1979年の「在宅福祉サービスの戦略」です。
市町村社協の法制化と事業の拡大
1983年(昭和58年)には社会福祉事業法が一部改正され、市町村社会福祉協議会が法律上に位置づけられました。都道府県社協・全国社協の法制化から、30年以上後のことです。
1990年(平成2年)には、指定都市社会福祉協議会・区社会福祉協議会が新たに規定されました。
1992年(平成4年)には、新・社会福祉協議会基本要項が策定され、住民ニーズ基本の原則、住民活動主体の原則、民間性の原則、公私協働の原則、専門性の原則という5つの活動原則が示されました。
国家試験では、次のように出題されました。
×「1992年(平成4年)に新・社会福祉協議会基本要項が策定され,社会福祉協議会の活動原則として住民主体の原則が初めて位置づけられた。」(第36回問題32)→1992年の新・基本要項で示されたのは「住民活動主体の原則」で、「住民主体の原則」ではありません。
社会福祉法への改正と現在
2000年(平成12年)、社会福祉事業法などの一部を改正する法律により、社会福祉法が成立しました。この改正で、社協は地域福祉の推進における中心的な役割を持つ組織として明文化されました。
第百九条(市町村社協)は「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」
第百十条(都道府県社協)は「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」
また、地域福祉権利擁護事業(現在の日常生活自立支援事業)は、1999年に開始された事業です。2000年の社会福祉法改正で、福祉サービス利用援助事業が第二種社会福祉事業として位置づけられました。実施主体は都道府県社会福祉協議会です。
日常生活自立支援事業についての記事はこちら
→社協の日常生活自立支援事業とは|対象者と支援内容をわかりやすく整理
国家試験では、次のように出題されました。
○「2000年(平成12年)に社会福祉法へ改正されたことにより,市町村社会福祉協議会の目的は地域福祉の推進にあることが明文化された。」(第36回問題32)→2000年の社会福祉法で、社協は地域福祉の推進を図ることを目的とする団体と明文化されました。
×「1983年(昭和58年)に社会福祉事業法が一部改正され,都道府県社会福祉協議会を実施主体とする地域福祉権利擁護事業が開始された。」(第36回問題32)→実施主体が都道府県社協である点は正しい内容です。地域福祉権利擁護事業は1999年に開始された事業で、1983年の改正によるものではありません。2000年の社会福祉法改正で、福祉サービス利用援助事業が第二種社会福祉事業として規定されました。
その後2025年に基本要項が見直され、現在は、住民ニーズ基本の原則、住民活動基盤の原則、個別支援と地域づくりの一体的展開の原則、民間性の原則、連携・協働の原則、専門性の原則という6つの原則が示されています。また、個別支援と地域づくりを一体的に展開する視点が新たに加わっています。
すっきり整理 社協の歴史の年表
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1908年 | 中央慈善協会設立 |
| 1951年 | 社会福祉事業法制定 都道府県社協・全国社協が法制化 |
| 1962年 | 社会福祉協議会基本要項策定 |
| 1968年 | 「居宅ねたきり老人実態調査」実施 |
| 1979年 | 「在宅福祉サービスの戦略」発表 |
| 1983年 | 市町村社会福祉協議会が法制化 |
| 1990年 | 指定都市社協・区社協を規定 |
| 1992年 | 新・社会福祉協議会基本要項策定「住民参加のための援助」追加 |
| 1999年 | 地域福祉権利擁護事業開始 |
| 2000年 | 社会福祉法成立。地域福祉推進の中心的役割として明文化 |
| 2025年 | 基本要項2025策定(6つの原則へ) |
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過去問を解いてみましょう
第36回 地域福祉の理論と方法 問題32
社会福祉協議会の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 1951年(昭和26年)に制定された社会福祉事業法で,市町村社会福祉協議会が法制化された。
2 1962年(昭和37年)に社会福祉協議会基本要項が策定され,在宅福祉サービスを市町村社会福祉協議会の事業として積極的に位置づける方針が示された。
3 1983年(昭和58年)に社会福祉事業法が一部改正され,都道府県社会福祉協議会を実施主体とする地域福祉権利擁護事業が開始された。
4 1992年(平成4年)に新・社会福祉協議会基本要項が策定され,社会福祉協議会の活動原則として住民主体の原則が初めて位置づけられた。
5 2000年(平成12年)に社会福祉法へ改正されたことにより,市町村社会福祉協議会の目的は地域福祉の推進にあることが明文化された。
解説
1→× 1951年の社会福祉事業法で法制化されたのは都道府県社協と全国社協です。市町村社協の法制化は1983年です。
2→× 在宅福祉サービスの体系を示したのは、1962年の基本要項ではなく、1979年の「在宅福祉サービスの戦略」です。
3→× 実施主体が都道府県社協である点は正しい内容です。地域福祉権利擁護事業は1999年に開始された事業で、1983年の改正によるものではありません。2000年の社会福祉法改正で、福祉サービス利用援助事業が第二種社会福祉事業として規定されました。
4→× 住民主体の原則を初めて位置づけたのは、1962年の基本要項です。1992年の新・基本要項は、住民ニーズ基本の原則と住民活動主体の原則を継承しながら、民間性の原則、公私協働の原則、専門性の原則などを確認しました。
5→○ 2000年の社会福祉法で、社協は地域福祉の推進を図ることを目的とする団体と明文化されました。


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