介護支援専門員証の有効期間と更新研修
介護支援専門員になるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を修了したうえで、都道府県知事の登録を受けます。試験と研修を行うのは都道府県知事です。登録を受けた者は、都道府県知事に申請して介護支援専門員証の交付を受けます。
今の介護保険法では、介護支援専門員証の有効期間は5年です。有効期間を更新するには、更新研修を受けなければなりません。更新研修を受けずに有効期間が満了すると、介護支援専門員証は効力を失い、介護支援専門員として業務を行うことができなくなります。
介護支援専門員の配置先や居宅サービス計画を作る流れについての記事はこちら。
→介護保険制度の専門職|介護支援専門員・サービス提供責任者・訪問介護員・介護福祉士の役割
2026年の改正で変わること
2026年6月19日、介護保険法の改正を含む「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立し、6月25日に公布されました。この改正で、介護支援専門員証の有効期間と、更新のための研修が廃止されます。
改正後の仕組みは次のとおりです。
①介護支援専門員証の有効期間を廃止する
②更新研修を廃止する
③介護支援専門員は、資質の保持と向上のため、都道府県知事が行う法定研修を受けなければならない(厚生労働省令で定める者を除く)
④正当な理由なく研修を受けない介護支援専門員に対し、都道府県知事は受講を命じることができる
⑤命令に従わない介護支援専門員に対し、都道府県知事は1年以内の期間を定めて業務の従事を禁止することができる
⑥介護サービス事業者は、雇用する介護支援専門員の氏名や業務への従事の状況などを都道府県知事に報告し、法定研修を受講する機会を確保しなければならない
今の仕組みでは、更新研修を受けなければ資格の効力そのものが切れます。改正後は、資格は期限なく続き、研修を受けない者には都道府県知事が受講命令と業務従事の禁止で対応します。
研修の科目や時間数は、今後、厚生労働省令で定めることになっています。
いつから変わるか
改正法は、更新制の廃止などの規定を、公布の日から1年6か月以内に政令で定める日から施行すると定めています。厚生労働省は2026年9月7日に関係政令の改正案を公表し、施行日を2027年12月1日としました。関係政令は2026年11月下旬に公布される予定です。
施行日の時点で有効な介護支援専門員証は、施行日以降、有効期間の定めがないものになります。2027年11月30日以前に有効期間が満了する者が業務を続けるには、これまでどおり更新研修を受けて更新の手続きをする必要があります。
第39回試験との関係
厚生労働省は、改正法の施行日を2027年12月1日とする予定です。第39回社会福祉士国家試験(2027年2月7日)は施行日より前なので、現行の制度のまま解答して問題ありません。
ただし、変更されることは決まっていますので、以下の演習問題で改正点を確認してください。
演習問題
改正法の施行後の介護支援専門員に関する次の記述について、正しいものには○、誤っているものには×をつけましょう。
1 介護支援専門員証の有効期間は廃止される。
2 介護支援専門員は、更新研修を受けなければ介護支援専門員証の効力を失う。
3 介護支援専門員は、都道府県知事が行う法定研修を受けなければならない。
4 正当な理由なく研修を受けない介護支援専門員に対し、市町村長は受講を命じることができる。
5 都道府県知事は、受講の命令に従わない介護支援専門員に対し、1年以内の期間を定めて業務の従事を禁止することができる。
解説
1→○ 介護支援専門員証は、期限なく効力が続きます。
2→× 更新研修は廃止されます。資格の効力が切れる仕組みもなくなります。
3→○ 有効期間はなくなっても、法定研修を受ける義務は残ります。
4→× 受講を命じるのは都道府県知事です。介護支援専門員の登録や研修を担う都道府県知事が、受講命令も行います。
5→○ 受講命令に従わないときは、都道府県知事が1年以内の業務従事の禁止を命じることができます。
過去問を解いてみましょう
第28回問題134
介護支援専門員に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 介護支援専門員は、名称独占の資格として法定されている。
2 介護支援専門員の登録は、社会福祉士の場合、実務経験の有無を問わず、介護支援専門員実務研修受講試験に合格した者について行われる。
3 介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たって、サービス担当者会議を召集しなければならない。
4 介護支援専門員は、利用者の自立した生活を支援する上で、介護給付等対象サービスを中心として居宅サービス計画を作成することが望ましい。
5 介護支援専門員証の有効期間の更新に当たっては、法令に定められた研修を受けなければならない。
解説
1→× 介護保険法に、介護支援専門員の名称の使用を制限する規定はありません。
2→× 社会福祉士であっても、受験には5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。
3→○ 介護支援専門員は、居宅サービス計画の原案に位置づけたサービスの担当者を招集して、サービス担当者会議を開きます。
4→× 居宅サービス計画には、介護給付等対象サービス以外の、地域住民の自発的な活動によるサービスなども位置づけます。
5→○ 今の仕組みでは、更新研修を受けないと有効期間を更新できません。2027年12月1日(予定)の施行後は、有効期間も更新研修もなくなり、法定研修の受講義務に替わります。
第36回問題131
介護保険制度における厚生労働大臣の役割に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 要介護認定の審査及び判定に関する基準を定める。
2 要介護者等に対する介護給付費の支給決定を行う。
3 介護支援専門員実務研修を実施する。
4 介護給付等費用適正化事業を実施する。
5 財政安定化基金を設置する。
解説
1→○ 要介護認定の審査と判定の基準は、厚生労働大臣が定めます。
2→× 介護給付費の支給を決定するのは、保険者である市町村です。
3→× 介護支援専門員実務研修を実施するのは、都道府県知事です。
4→× 介護給付等費用適正化事業は、地域支援事業の任意事業として市町村が実施します。
5→× 財政安定化基金を設置するのは、都道府県です。
第30回問題133
介護保険法における国民健康保険団体連合会の役割に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 第二号被保険者から要介護認定の申請があった場合、認定調査を行う。
2 市町村から委託を受けて、各種介護サービス費の請求に関する審査・支払を行う。
3 適正な業務管理体制を整備していない介護サービス事業者に対し、是正勧告・命令を行う。
4 介護支援専門員の試験及び研修、登録に関する業務を行う。
5 第一号被保険者の保険料を、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率で算定する。
解説
1→× 認定調査を行うのは市町村です。
2→○ 国民健康保険団体連合会は、市町村から委託を受けて、介護給付費の審査と支払を行います。
3→× 業務管理体制の整備について是正勧告や命令を行うのは、都道府県知事などです。
4→× 介護支援専門員の試験、研修、登録を行うのは、都道府県知事です。
5→× 第一号被保険者の保険料率を条例で定めて保険料を算定するのは、市町村です。

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