同居の母親の介護が必要になったCさんの事例
2025年国民生活基礎調査によると、同居の主な介護者のうち子は18.2%で、前回2022年調査の16.2%から増えています。働きながら同居の親を介護するときの、介護休業と休業中のお金の制度を確認しましょう。
2025年国民生活基礎調査についての記事はこちら
→39回国家試験用 2025年国民生活基礎調査|世帯構造・所得と生活意識・貧困率・介護の状況
Cさんは48歳の女性で、1年ごとに契約を更新して働く契約社員です。フルタイムで働いており、健康保険、厚生年金保険、雇用保険に加入しています。同居している母親(78歳)が脳梗塞で倒れて入院し、退院後は、食事や排せつに常時の介助が必要な状態が続いています。母親は、要介護認定をまだ受けていません。
Cさんの介護休業と、休業中のお金について、正しいものを1つ選びましょう。
介護休業を取る
Cさん 48歳・有期雇用の契約社員・同居の母親が脳梗塞で倒れ、退院後は常時介護が必要・要介護認定はまだ
問1 Cさんの介護休業について、正しいものを1つ選びなさい。
1 Cさんは期間を定めて雇用されているので、介護休業を取得するには、同じ事業主に引き続き1年以上雇用されていることが必要である。
2 Cさんの母親が2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態であれば、要介護認定を受ける前でも、介護休業の対象となる。
3 Cさんの介護休業は、事業主が業務の状況をみて、取得を認めるかどうかを決める。
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正答 2
1→× 「引き続き1年以上雇用されていること」は、2022年4月に廃止された以前の要件です。現在は、取得予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約が満了することが明らかでなければ、期間を定めて雇用される者も介護休業を取得できます。
2→○ 介護休業の対象となる要介護状態は、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態です。介護保険の要介護認定を受けていることは要件ではありません。第37回問題88でも、要介護認定を受けていない母親が介護休業の対象になりうるという選択肢が正答として出題されています。
3→× 介護休業は、労働者が事業主に申し出て取得します。事業主は、要件を満たす労働者の申出を拒むことができません。
Cさん 48歳・有期雇用の契約社員・同居の母親が脳梗塞で倒れ、退院後は常時介護が必要・要介護認定はまだ
問2 Cさんが介護休業を取得している間の保険料について、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護休業中も、Cさんは健康保険と厚生年金保険の保険料を、休業前と同じように負担する。
2 介護休業中は、厚生年金保険の保険料が、Cさん本人の分も事業主の分も免除される。
3 介護休業中は、Cさんは国民年金の第1号被保険者となり、国民年金保険料を自分で納める。
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正答 1
1→○ 健康保険と厚生年金保険の保険料が免除されるのは、産前産後休業中と育児休業中です。介護休業中は免除されないので、本人も事業主も、休業前と同じように保険料を負担します。
2→× 介護休業中は、厚生年金保険の保険料は免除されません。第38回問題30では「介護休業期間中は、厚生年金保険の保険料負担が労使ともに免除される」が×として出題されています。
3→× 介護休業中も、Cさんは会社に在籍しているので、厚生年金保険の被保険者のままです。国民年金では第2号被保険者で、厚生年金保険料を本人と事業主が負担します。
育児休業中の保険料免除についての記事はこちら
→産前産後期間中の保険料免除を整理|国民年金と国民健康保険の違いをわかりやすく
休業中のお金
Cさん 48歳・有期雇用の契約社員・同居の母親が脳梗塞で倒れ、退院後は常時介護が必要・要介護認定はまだ
問3 Cさんの介護休業給付金の額について、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護休業給付金の額は、Cさんの母親の要介護度に応じて決まる。
2 介護休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合は、その額に応じて介護休業給付金が減額されることがある。
3 介護休業給付金の額は、休業開始時賃金日額の50%に相当する額である。
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正答 2
1→× 介護休業給付金の額は、Cさんの休業開始時の賃金をもとに決まります。母親の要介護度は関係ありません。
2→○ 介護休業期間中に賃金が支払われると、その額に応じて介護休業給付金が減額されます。休業開始時の賃金の80%以上が支払われた場合は、支給されません。
3→× 介護休業給付金の額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%です。休業開始時賃金日額には上限があるため、支給額にも上限があります。第37回問題35では「介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される」が×として出題されています。
Cさん 48歳・有期雇用の契約社員・同居の母親が脳梗塞で倒れ、退院後は常時介護が必要・要介護認定はまだ
問4 Cさんが介護休業給付金を受けられる期間について、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護休業給付金は、母親1人について、最長1年間支給される。
2 介護休業給付金は、母親が要介護状態である間、毎月支給される。
3 介護休業給付金は、母親1人について通算93日を限度に、3回まで分割して取得した介護休業について支給される。
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正答 3
1→× 介護休業給付金が支給されるのは、対象家族1人につき通算93日までです。子が1歳になるまでを原則とする育児休業給付金と取り違えないようにしましょう。
2→× 介護休業給付金は、介護休業を取得した期間について支給されます。母親の要介護状態が続いていても、通算93日を超えては支給されません。
3→○ 介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して取得できます。介護休業給付金も、同じ範囲で支給されます。介護休業は介護の体制を整えるための期間で、93日を使い切ったあとは、介護休暇や所定労働時間の短縮等の措置などを使って両立を図ります。
休業以外の両立の制度
Cさん 48歳・有期雇用の契約社員・同居の母親が脳梗塞で倒れ、退院後は常時介護が必要・要介護認定はまだ
問5 介護休業以外に、Cさんが仕事と介護を両立するために利用できる制度について、正しいものを1つ選びなさい。
1 Cさんは、介護休業とは別に、介護休暇を年5日まで、1日単位または時間単位で取得できる。
2 介護休暇は、母親が要介護認定を受けたあとに取得できる。
3 Cさんは、介護休業を取り終えたあと、93日間は残業の免除を請求できる。
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正答 1
1→○ 介護休暇は、対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度に取得できます。1日単位でも時間単位でも取得できます。第37回問題88では、介護休暇を「年度あたり14日間」とした選択肢が×として出題されています。
2→× 介護休暇の対象も、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族です。介護休業と同じく、要介護認定を受けていることは要件ではありません。
3→× 残業の免除(所定外労働の制限)は、1回につき1か月以上1年以内の期間を決めて、介護が終わるまで何回でも請求できます。「93日間」という決まりはありません。事業主は、所定労働時間の短縮等の措置も講じなければなりません。
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