大項目ごとの出題数
第34回から第38回までの5回・69問が、出題基準のどの大項目から出題されたかを集計しました。第34回から第36回までは「地域福祉の理論と方法」10問と「福祉行財政と福祉計画」7問の17問、第37回と第38回は「地域福祉と包括的支援体制」9問です。
新しいカリキュラムになって変わったこと
第37回から科目が「地域福祉と包括的支援体制」になり、旧カリキュラムの17問が9問になりました。旧カリキュラムの3回51問と、現行カリキュラムの2回18問で、大項目ごとの割合を比べたものが次の図です。
地域福祉の出題傾向を書きました。この科目は旧カリキュラムの「地域福祉の理論と方法」と「福祉行財政と福祉計画」が統合されていますので、集計は第34回から第38回の5回分にしています。
カリキュラムが変わり、
①福祉行財政と福祉計画から出ていた問題が減り
②地域社会の変化と多様化・複雑化した地域生活課題からの出題が増えています。
事例問題と2つ選ぶ問題も増えました。第38回は9問のうち4問が事例問題、4問が2つ選ぶ問題です。
勉強する順番
この集計をもとに、次の順番で勉強することをお勧めします。この順番は、出題された回数だけでなく、必要な知識を整理していく順番、効率の良さ、負担の分散などを考慮して検討しました。
1の地域福祉の基本的な考え方では、次の内容が出題されています。
・社会福祉法第4条の地域福祉の推進、地域住民等の役割
・社会福祉協議会の歴史(1951年の社会福祉事業法、1962年の社会福祉協議会基本要項、1983年の市町村社会福祉協議会の法制化、1992年の新・社会福祉協議会基本要項、2000年の社会福祉法)
・民生委員の委嘱、定数、任期、守秘義務、民生委員協議会
・共同募金の区域、目標額、準備金、第一種社会福祉事業
・特定非営利活動法人、認定特定非営利活動法人への寄付の税制優遇
・労働者協同組合、社会的企業、認知症サポーター
・セツルメントの歴史(トインビー・ホール、ハル・ハウス、岡山博愛会、キングスレー館)
・ソーシャルキャピタル、セルフヘルプグループ、ローカルガバナンス、プラットフォーム、ソーシャルサポートネットワーク
・コミュニティケア、セルフアドボカシー、福祉の多元化、住民主体の原則
2の地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制では、次の内容が出題されています。
・社会福祉法第106条の3の包括的な支援体制の整備
・重層的支援体制整備事業の5つの事業(包括的相談支援事業、参加支援事業、地域づくり事業、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業、多機関協働事業)
・重層的支援体制整備事業実施計画
・生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業、住居確保給付金
・住宅確保要配慮者、居住支援法人、公営住宅の家賃減免
・「福祉の提供ビジョン」「地域力強化検討会」「地域共生社会推進検討会」
3の地域共生社会の実現に向けた多機関協働では、次の内容が出題されています。
・協議体と生活支援コーディネーター
・地域ケア会議
・社会福祉法に基づく支援会議、生活困窮者自立支援法に基づく支援会議、重層的支援会議
・ひきこもり地域支援センター、居住支援法人、消費生活センター、日常生活自立支援事業との連携
・本人の意思を尊重した会議の持ち方
4の地域社会の変化と多様化・複雑化した地域生活課題では、次の内容が出題されています。
・単独世帯、生産年齢人口、在留外国人、孤独・孤立、母子世帯の生活意識
・中山間地域、限界集落、消滅可能性自治体、公共交通空白地域、食料品アクセス困難人口
・ヤングケアラー、ひきこもり、住宅確保要配慮者、避難行動要支援者、困難な問題を抱える女性
・技能実習制度から育成就労制度への移行、多文化共生ソーシャルワーク
5の福祉計画の意義と種類、策定と運用では、次の内容が出題されています。
・市町村地域福祉計画と都道府県地域福祉支援計画の記載事項、住民の意見の反映、定期的な調査・分析・評価
・各種福祉計画の策定義務と記載事項
・計画期間
・住民懇談会、グループインタビュー、アンケート調査などのニーズ把握の方法
・パブリックコメント
・アウトカム評価、プロセス評価、セオリー評価、インパクト評価、効率性評価
6の福祉行財政システムでは、次の内容が出題されています。
・民生費の目的別歳出と性質別歳出、都道府県と市町村の違い
・法定受託事務と自治事務
・厚生労働大臣、都道府県知事、市町村の役割
・福祉事務所、児童相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、地域包括支援センター、保健所の設置
・社会福祉主事、現業員、身体障害者福祉司、児童福祉司の任用
・社会保障審議会、障害者政策委員会
7の災害時における総合的かつ包括的な支援体制では、次の内容が出題されています。
・災害対策基本法の避難行動要支援者名簿と個別避難計画
・福祉避難所
・災害派遣福祉チーム
・災害ボランティアセンター
・被災者生活再建支援制度
・業務継続計画
よく出た用語
5回69問の中で、それぞれの用語が何問に出てきたかを数えました。設問の柱になっているものだけでなく、選択肢の中に出てきたものも数えています。
以下はより細かな集計データです。勉強する順番と頻出分野を確認したい方はここまで読んでいただければ十分です。より細かなデータにご興味がある方は以下をご覧ください。
分析のもととなるデータ
集計の方法
第34回から第38回までの5回分を集計しました。第34回から第36回までは旧カリキュラムのため、「地域福祉の理論と方法」10問と「福祉行財政と福祉計画」7問の合計17問を対象にしています。第37回と第38回は「地域福祉と包括的支援体制」の9問です。合計69問になります。
分類は、現行の出題基準の大項目に合わせました。設問の柱になっている内容で1問ずつ振り分けています。1つの問題を2つの大項目に数えることはしていません。
判断が分かれた問題が3つあります。第36回問題43は入所の仕組みを措置制度と利用契約制度に分ける問題で、現行の出題基準では「社会福祉の原理と政策」の福祉供給過程にあたる内容のため、大項目の集計から外して別枠にしました。第36回問題40は包括的な支援体制の構築に向けた支援方針を問う事例問題ですが、内容が外国人居住者の社会的孤立なので、地域社会の変化と多様化・複雑化した地域生活課題に入れています。第38回問題47は災害時の福祉支援体制を題材にした事例問題ですが、選択肢で問われたのが重層的支援会議、支援会議、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業なので、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制に入れました。
地域福祉と包括的支援体制の課題と展望に分類した問題は0問です。この大項目には地域福祉ガバナンス、プラットフォームの形成と運営、住民の参加と協働が含まれますが、これらの内容は他の大項目とも重なります。第34回問題38ではプラットフォームとローカルガバナンス、第37回問題48ではプラットフォームが出題されていますが、設問の柱に沿って地域福祉の基本的な考え方と地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制に分類しました。この大項目の内容が出題されていないという意味ではありません。
回ごとの出題数
大項目ごとの出題数を回ごとに並べたものが次の図です。
事例問題
5回69問のうち事例問題は16問です。回ごとの内訳は次のとおりです。
・第34回 3問(問題40、問題41、問題48)
・第35回 2問(問題35、問題41)
・第36回 4問(問題37、問題39、問題40、問題41)
・第37回 3問(問題46、問題49、問題51)
・第38回 4問(問題46、問題47、問題50、問題51)
旧カリキュラムの51問では9問、現行カリキュラムの18問では7問です。割合でみると17.6%から38.9%になっています。
2つ選ぶ問題
5回69問のうち、2つ選ぶ問題は14問です。回ごとの内訳は次のとおりです。
・第34回 2問(問題35、問題40)
・第35回 2問(問題35、問題46)
・第36回 3問(問題40、問題41、問題43)
・第37回 3問(問題49、問題50、問題51)
・第38回 4問(問題47、問題48、問題50、問題51)
第38回は9問のうち4問が2つ選ぶ問題でした。
人名
5回69問のうち、人名が正誤に影響した問題は1問です。第38回問題43のセツルメントの歴史で、バーネットとトインビー・ホール、アダムスとハル・ハウスの組み合わせが問われました。同じ問題の選択肢には岡山博愛会とキングスレー館が出てきますが、人名は書かれていません。
第34回から第37回までは、人名が出てくる問題も、理論名や用語から人物が特定できる問題もありませんでした。
統計・調査結果を根拠にした問題
統計や調査結果を根拠にした問題は9問です。
・第34回問題45 「令和3年版地方財政白書」の民生費
・第35回問題38 共同募金の募金方法別実績
・第35回問題44 「令和4年版地方財政白書」の民生費
・第36回問題38 市区町村社会福祉協議会の平均財源構成比
・第36回問題45 「令和5年版地方財政白書」の民生費
・第37回問題44 「令和6年版地方財政の状況」の民生費
・第37回問題45 「地域福祉(支援)計画策定状況等の調査結果概要」
・第37回問題47 国勢調査、在留外国人統計、人口推計、孤独・孤立の実態把握に関する全国調査、国民生活基礎調査
・第38回問題46 技能実習の監督指導における違反事項、技能実習生の国籍別構成
民生費は第34回、第35回、第36回、第37回の4回連続で出題されました。第38回では出題されていません。
集計に使った問題
・第34回 地域福祉の理論と方法 問題32から問題41
・第34回 福祉行財政と福祉計画 問題42から問題48
・第35回 地域福祉の理論と方法 問題32から問題41
・第35回 福祉行財政と福祉計画 問題42から問題48
・第36回 地域福祉の理論と方法 問題32から問題41
・第36回 福祉行財政と福祉計画 問題42から問題48
・第37回 地域福祉と包括的支援体制 問題43から問題51
・第38回 地域福祉と包括的支援体制 問題43から問題51
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