労働者協同組合とは
令和4年10月に施行された、労働者協同組合法(令和2年法律第78号)に基づく法人制度です。
一番の特徴は、組合員自身が出資し、経営に参加し、そして自ら現場で働くという三位一体の組織であること。NPO法人のように出資者・経営者・労働者が分かれているのではなく、同じ人が全部兼ねます。
基本原理は次の3つです。
①組合員が出資すること
②組合員の意見が適切に反映されること
③組合員が事業に従事すること
この3つの基本原理に従い、持続可能で活力ある地域社会に資する事業を行うことが目的とされています。

3つの基本原理については、厚生労働省の特設サイトでも図解されています。あわせてご覧ください。

設立と事業の特徴
設立は登記だけでよく(準則主義)、NPO法人のような行政庁の認証は不要です。発起人も3人以上いれば設立できるので、比較的スピーディーに立ち上げられます。
介護・福祉関連(訪問介護等)、子育て関連(学童保育等)、地域づくり関連など、地域の多様なニーズに応じた事業を行える点も特徴です。なお、労働者派遣事業だけは行うことができません。
準則主義・認証主義・認可主義についてはこちらをご参考になさってください。
→準則主義・認証主義・認可主義の違いをすっきり解説 社福NPO法人
NPO法人との違いに注意
労働者協同組合は、組合員自身が新しく事業体を作って働くための、起業に近い制度です。介護や子育て支援など、地域で必要とされている事業を、当事者たちが自分たちの手で立ち上げる、というイメージになります。
ここで注意が必要なのが、NPO法人との違いです。「協同組合」という名称から非営利(配当不可)に見えますが、一部配当は認められています。名称の印象だけで判断しないようにしましょう。
社会福祉連携推進法人との違い
同じく最近新しくできた法人制度として、社会福祉連携推進法人があります。こちらは令和4年4月施行で、既にある社会福祉法人同士が手を組むための「連携」の制度です。新しく事業を始める組織というより、既存の法人の経営基盤を強化するための仕組みという性格が強くなります。
労働者協同組合が「起業」の制度、社会福祉連携推進法人が「連携」の制度、と整理しておくと区別しやすくなります。
→社会福祉連携推進法人とは|設立の流れと共同で行う業務をわかりやすく解説
すっきり整理
この論点で押さえておきたい内容をまとめます。
| 根拠法 | 労働者協同組合法(令和2年法律第78号) |
|---|---|
| 施行 | 令和4年10月1日 |
| 基本原理 | 組合員が出資/意見が適切に反映される/組合員が事業に従事する |
| 設立 | 準則主義(登記のみ、認証不要)/発起人3人以上 |
| 行えない事業 | 労働者派遣事業 |
| 配当 | 一部認められている |


コメント