2025年人口動態統計の結果
人口動態統計は、厚生労働省が、出生・死亡・婚姻・離婚などの届出をもとに毎年まとめる統計です。2025年の確定数は、2026年9月30日に公表されました。
2025年の出生数は67万1,270人(前年より1万4,903人減)で、過去最少でした。合計特殊出生率は1.14(前年より0.01低下)で、過去最低です。婚姻件数は48万9,158組(前年より4,066組増)、離婚件数は17万9,073組(前年より6,831組減)でした。
覚えておきたいポイント
①出生数と合計特殊出生率:どちらも過去最低を更新し、10年連続の減少・低下
②自然増減:死亡数>出生数で、19年連続のマイナス
③死因順位:悪性新生物>心疾患>老衰
④婚姻件数は増加、離婚件数は減少
この記事は、2025年の1年間に起きたことを扱います。日本の人口がこれからどう変わるかを推計した、日本の将来推計人口についての記事はこちら
→第39回用 日本の将来推計人口|総人口・高齢化率・合計特殊出生率を整理
出生数と合計特殊出生率
合計特殊出生率は、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を足し上げたもので、1人の女性が一生の間に産む子どもの数にあたります。人口を維持するのに必要な合計特殊出生率を、人口置換水準といいます。日本の人口置換水準は2.07程度とされています。
2025年の合計特殊出生率は1.14で、10年連続の低下です。出生数は67万1,270人で、10年連続の減少です。出生数は、1899年(明治32年)に調査を始めて以来の最少でした。
ひのえうま(丙午)は、60年に一度めぐってくる干支の年です。「この年に生まれた女性は気性が激しい」という迷信があり、1966年は出産を控えた夫婦が多くいました。この年の合計特殊出生率は1.58まで下がりました。
1989年の合計特殊出生率は、そのひのえうまの年を下回る1.57になり、「1.57ショック」と呼ばれました。少子化が社会の問題として受け止められるきっかけになりました。その後も低下が続き、2005年には1.26まで下がりました。2025年の1.14は、2005年をさらに下回っています。
第二次ベビーブームの1973年に生まれた私が、自分の年齢と重ねて社会保障・社会福祉の歴史を振り返った記事はこちら
→1973年生まれの私と振り返る社会保障・社会福祉の歴史|福祉元年から2025年年金制度改正まで
第38回問題15で、「合計特殊出生率は、18歳から49歳までの女性の年齢別出生率を足し上げて算出する」が×として出題。
死亡数と死因
2025年の死亡数は158万9,533人(前年より1万5,845人減)で、5年ぶりに減りました。出生数から死亡数を引いた自然増減は△91万8,263人で、19年連続のマイナスです。生まれる子どもより亡くなる人のほうが、およそ92万人多いということです。堺市の人口(およそ80万人)を上回る人数です。
死因順位は、1位が悪性新生物<腫瘍>、2位が心疾患(高血圧性を除く)、3位が老衰です。悪性新生物は死亡総数の23.8%を占め、亡くなった人のおよそ4人に1人にあたります。
第36回問題126で、「2021年(令和3年)の65歳以上の者の死因別の死亡率をみると、悪性新生物よりも肺炎の方が高くなっている」が×として出題。
婚姻と離婚
2025年の婚姻件数は48万9,158組で、前年より4,066組増えました。2年連続の増加です。
離婚件数は17万9,073組で、前年より6,831組減りました。全体では減っていますが、同居期間が30年以上の夫婦の離婚(いわゆる熟年離婚)は増えています(概数)。
離婚したときの年金分割についての記事はこちら
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過去問を解いてみましょう
解説は、2025年人口動態統計の数字に基づいています。
第38回問題15
人口統計で用いられる用語に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 人口学的方程式とは,出生数から死亡数を減じることにより人口を求める計算式である。
2 合計特殊出生率は,18歳から49歳までの女性の年齢別出生率を足し上げて算出する。
3 生産年齢人口は,ある年の15歳から69歳までの者の総数である。
4 団塊の世代とは,1971年から1974年生まれの人々である。
5 人口置換水準は,先進国より発展途上国の方が高い。
解説
1→× 人口学的方程式は、出生数から死亡数を引いた自然増減に、転入から転出を引いた社会増減を加えて人口の変化を求める式です。出生と死亡だけでは、引っ越しによる人口の出入りが入りません。
2→× 合計特殊出生率は、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を足し上げて算出します。2025年は1.14でした。
3→× 生産年齢人口は、15歳から64歳までの者です。
4→× 団塊の世代は、第1次ベビーブームの1947年から1949年に生まれた人々です。1971年から1974年の第2次ベビーブームに生まれた人々は、団塊ジュニアと呼ばれます。
5→○ 死亡率が高い発展途上国では、人口を維持するためにより多くの子どもが必要になるので、人口置換水準は高くなります。日本の人口置換水準は2.07程度とされています。
第35回問題29
日本における人口の動向に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 第二次世界大戦後,1940年代後半,1970年代前半,2000年代後半の3回のベビーブームを経験した。
2 15~64歳の生産年齢人口は,高度経済成長期から1990年代後半まで減少を続け,以後は横ばいで推移している。
3 「『日本の将来推計人口』における中位推計」では,65歳以上の老年人口は2025年頃に最も多くなり,以後は緩やかに減少すると予想されている。
4 「2021年の人口推計」において,前年に比べて日本人人口が減少した一方,外国人人口が増加したため,総人口は増加した。
5 1970年代後半以降,合計特殊出生率は人口置換水準を下回っている。
(注)1 「『日本の将来推計人口』における中位推計」とは,国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」における,出生中位(死亡中位)の推計値を指す。
2 「2021年の人口推計」とは,総務省「人口推計2021年(令和3年)10月1日現在」における推計値を指す。
解説
1→× 第二次世界大戦後のベビーブームは、1947年から1949年の第1次と、1971年から1974年の第2次の2回です。2000年代後半は、合計特殊出生率が2005年の1.26から少し持ち直した時期で、ベビーブームではありません。
2→× 生産年齢人口は、高度経済成長期には増え続け、1995年をピークに減少しています。増減の向きが逆です。
3→× 65歳以上人口が最も多くなるのは2040年代前半と推計されています。2025年頃は、団塊の世代がすべて75歳以上になった時期です。
4→× 2021年は、日本人人口も外国人人口も減少し、総人口は減少しました。
5→○ 合計特殊出生率は1970年代半ばに人口置換水準(2.07程度)を下回り、その後は一度も上回っていません。2025年は1.14です。


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