自立支援医療は、障害者総合支援法の自立支援給付のうち、医療費の公費負担を行う仕組みです。更生医療、育成医療、精神通院医療の3種類があります。
この3つは、対象となる人が異なるだけでなく、支給認定を行う実施主体も分かれています。名称と対象者、そして誰が支給認定を行うのかをセットで整理しておきましょう。
3つの自立支援医療
更生医療は、身体障害者福祉法にいう身体障害者(18歳以上)を対象とする医療です。障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できる場合に給付されます。身体障害者手帳の交付を受けていることが前提です。
育成医療は、身体に障害のある児童(18歳未満)で、その障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できる場合に給付される医療です。更生医療と育成医療は、対象が18歳以上か18歳未満かで分かれます。
精神通院医療は、精神疾患により継続的な通院による医療を必要とする者を対象とする医療です。入院医療は対象になりません。精神障害者保健福祉手帳を持っていることは要件ではなく、手帳がなくても対象となります。
支給認定を行うのは誰か
自立支援医療の支給認定を行う主体は、種類によって分かれます。
| 種類 | 対象者 | 実施主体(支給認定) |
|---|---|---|
| 更生医療 | 18歳以上の身体障害者 | 市町村 |
| 育成医療 | 18歳未満の身体に障害のある児童 | 市町村 |
| 精神通院医療 | 精神疾患により通院医療を継続的に必要とする者 | 都道府県(指定都市) |
更生医療と育成医療の支給認定は市町村が行い、精神通院医療の支給認定は都道府県(指定都市)が行います。3種類とも同じ実施主体であるかのような記述は誤りです。第36回問題59では、種類にかかわらず支給認定は都道府県が行うとした選択肢が×として出題されています。
なお、育成医療の実施主体は、かつては都道府県でしたが、平成25年度から市町村に移譲されています。
利用者負担と医療機関
自立支援医療の利用者負担は、原則として1割です。医療保険の自己負担が原則3割であるのに対して、自立支援医療の対象となる医療については1割に軽減されます。さらに、世帯の所得に応じて1か月当たりの負担上限額が設定されており、一定所得以上で「重度かつ継続」に該当しない場合は対象外となる仕組みもあります。
また、自立支援医療を受けられるのは、都道府県知事等が指定した指定自立支援医療機関に限られます。どの医療機関でも自由に選べるわけではありません。
過去問で確認!
第36回 問題59
「障害者総合支援法」による自立支援医療に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 自立支援医療の種類には、更生医療が含まれる。
2 自立支援医療の種類にかかわらず、支給認定は都道府県が行う。
3 利用者の自己負担割合は、原則として3割である。
4 精神通院医療では、精神障害者保健福祉手帳の所持者以外は支給対象とならない。
5 利用者は、自立支援医療を利用する場合には、自由に医療機関を選択できる。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
まとめて解説
1 →〇 自立支援医療の種類は、更生医療、育成医療、精神通院医療の3つです。
2 →× 更生医療と育成医療の支給認定は市町村が行います。都道府県(指定都市)が行うのは精神通院医療です。
3 →× 利用者負担は原則1割です。
4 →× 精神障害者保健福祉手帳の所持は要件ではありません。手帳がなくても対象となります。
5 →× 指定自立支援医療機関に限られます。
障害者総合支援法の給付体系については、こちらで整理しています。
→介護給付のサービスと対象者|障害支援区分の認定プロセスを過去問で解説
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