貸借対照表
貸借対照表は,法人全体や事業区分,拠点区分の会計年度末における財務状況を明らかにする計算書類である。
○ 貸借対照表は、会計年度末の財務状況を示す計算書類です。法人全体、事業区分、拠点区分のそれぞれで作成します。(第37回 福祉サービスの組織と経営 問題129)
貸借対照表の借方は、資金運用方法を示す。
○ 借方(左側)は、資金を何に投下したかを示します。資金運用方法は、資金使途ともいいます。(第31回 福祉サービスの組織と経営 問題121)
貸借対照表の負債の部は、資金を何に投下したかを表す。
× 資金を何に投下したかを表すのは、借方(左側)の資産の部です。負債の部は貸方(右側)にあり、返済義務のある財源を表します。(第32回 福祉サービスの組織と経営 問題125)
貸借対照表の借方(左側)は資金使途を示し,純資産が計上される。
× 借方(左側)が資金使途を示す点は正しい記述です。ただし、純資産は貸方(右側)に計上されます。(第34回 福祉サービスの組織と経営 問題123)
流動資産とは,通常2年以内に費用化,現金化できるものである。
× 流動資産は、通常1年以内に費用化、現金化できるものです。(第33回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
純資産の具体的中身は、土地や建物等である。
× 土地や建物は、資産の部の固定資産に計上されます。純資産は、返済義務のない財源です。(第31回 福祉サービスの組織と経営 問題121)
貸借対照表の貸方(右側)には、固定資産が計上される。
× 固定資産は、借方(左側)の資産の部に計上されます。貸方(右側)に計上されるのは、負債と純資産です。(第29回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
土地や建物は貸借対照表の流動資産に計上される。
× 土地や建物は、固定資産に計上されます。(第34回 福祉サービスの組織と経営 問題123)
貸借対照表の純資産とは、外部から調達した負債である。
× 純資産は、返済義務のない財源であり、負債ではありません。外部から調達した財源は負債です。(第33回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
貸借対照表は、バランスシートと呼ばれるように、負債及び純資産の部合計と資産の部合計の金額は一致する。
○ 貸借対照表は、貸方(負債及び純資産の部合計)と借方(資産の部合計)の金額が一致します。(第32回 福祉サービスの組織と経営 問題125)
負債とは返済義務のない財源である。
× 負債は、返済義務のある財源です。返済義務のない財源は純資産です。(第34回 福祉サービスの組織と経営 問題123)
貸借対照表の計算
社会福祉法人Aは、寄附を受けた1,000万円と、金融機関からの借入れ500万円で事業を始め、車(350万円)とパソコン(50万円)を購入しました。現金の残高は何万円ですか。
答え 1,100万円です。調達した資金は1,000万円と500万円の合計1,500万円で、車とパソコンに合計400万円を使ったため、現金は1,100万円になります。
前問の法人Aの貸借対照表で、貸方(右側)の純資産と借入金は、それぞれ何万円ですか。また、借方(左側)の資産の部合計は何万円ですか。
答え 純資産は1,000万円、借入金は500万円です。寄附は返済義務のない財源のため純資産に、借入金は返済義務のある財源のため負債に入ります。資産の部合計は、現金1,100万円、車350万円、パソコン50万円で1,500万円となり、貸方の合計1,500万円と一致します。
計算書類の種類・作成・公表・承認
事業活動計算書とは、一時点のストックを表すものである。
× 事業活動計算書は、1会計年度の純資産の増減を表します。一時点のストックを表すのは貸借対照表です。(第32回 福祉サービスの組織と経営 問題125)
事業活動計算書は,流動資産と流動負債のバランスを見て財務の健全性をチェックすることができる計算書類である。
× 流動資産と流動負債は、貸借対照表に計上されます。事業活動計算書は、1会計年度の純資産の増減を表します。(第37回 福祉サービスの組織と経営 問題129)
資金収支計算書とは,毎年資産額を一定のルールで減額させ,その年のコストとして計上して作成した計算書類である。
× これは減価償却の説明です。資金収支計算書は、1会計年度の支払資金の増減を表します。(第37回 福祉サービスの組織と経営 問題129)
社会福祉事業のほか,公益事業・収益事業を行う社会福祉法人は,法人全体とともに,事業区分ごとに計算書類を作成する必要がある。
○ 計算書類は、法人全体、事業区分、拠点区分ごとに作成します。(第37回 福祉サービスの組織と経営 問題129)
(社会福祉法人の財務について)財務諸表に関する開示義務はない。
× 計算書類等を公表しなければなりません(社会福祉法第59条の2)。(第30回 福祉サービスの組織と経営 問題122)
(社会福祉法人の財務について)役員の報酬等の支給の基準を公表する義務はない。
× 役員の報酬等の支給の基準も、公表しなければなりません。(第30回 福祉サービスの組織と経営 問題122)
(社会福祉法人の決算期の計算書類の承認のプロセスとして)監事による監査を受け,その後,理事会での承認を経て,評議員会にて承認する。
○ 監事が監査し、理事会が承認したあと、定時評議員会が承認します。(第38回 福祉サービスの組織と経営 問題127)
財務会計と管理会計
財務会計は、組織内での使用を目的とする。
× 財務会計は、組織外部への報告を目的とします。組織内での使用を目的とするのは管理会計です。(第30回 福祉サービスの組織と経営 問題122)
管理会計は、組織外部者への情報開示を目的とする。
× 管理会計は、組織内での使用を目的とします。組織外部者への情報開示を目的とするのは財務会計です。(第32回 福祉サービスの組織と経営 問題125)
財務会計は組織内部における管理を目的としているため、通常、組織独自の会計ルールを用いる。
× 財務会計は外部報告を目的とするため、社会福祉法人会計基準に従います。(第33回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
資金調達
非営利組織は株式発行による資金調達ができる。
× 株式を発行できるのは、株式会社です。(第31回 福祉サービスの組織と経営 問題121)
金融機関からの借入れを直接金融という。
× 金融機関からの借入れは、間接金融です。株式・債券の発行などで投資家から直接資金を調達する方法が、直接金融です。(第31回 福祉サービスの組織と経営 問題121)
会計上、収益とは利益を指す。
× 利益は、収益から費用を差し引いた額です(利益=収益-費用)。(第31回 福祉サービスの組織と経営 問題121)
クラウドファンディングとは,不特定多数から通常インターネット経由で資金調達することを指す。
○ クラウドファンディングは、不特定多数から通常インターネット経由で資金を調達する方法です。(第34回 福祉サービスの組織と経営 問題123)
介護サービスの提供に要した費用は,利用者に代わって国から指定介護サービス事業者に支払われる。
× 支払うのは、保険者である市町村です。国民健康保険団体連合会を通じて支払われます。(第37回 福祉サービスの組織と経営 問題129)
減価償却
減価償却とは,固定資産(土地と建設仮勘定を除く)の取得原価をその耐用年数にわたり費用化する手続であり,過去に投下した資金を回収するものである。
○ 減価償却は、費用化した額に相当する資金が法人内部に留保されることで、過去に投下した資金が回収される手続です。(第33回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
土地は、減価償却の対象となる資産である。
× 土地は、減価償却の対象になりません。建設仮勘定も対象外です。(第30回 福祉サービスの組織と経営 問題122)
減価償却費は、法人の外部に資金が流出する費用である。
× 減価償却費は、資金の流出を伴わない費用です。資金が流出するのは、固定資産を取得したときだけです。第29回は「減価償却費はコストであるため、法人外部に資金流出する」という記述で出題されました。(第32回 福祉サービスの組織と経営 問題125、第29回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
取得原価500万円の固定資産を、耐用年数5年、定額法で減価償却すると、毎年の減価償却費は何万円ですか。また、資金が流出するのは何年目に何万円ですか。
答え 毎年100万円です。資金が流出するのは取得した1年目の500万円だけで、2年目以降は減価償却費を計上しても資金は流出しません。
社会福祉充実残額
(社会福祉法人の財務について)再投下可能な財産(社会福祉充実残額)を算定しなければならない。
○ 社会福祉充実残額は、毎会計年度、算定しなければなりません。(第30回 福祉サービスの組織と経営 問題122)
社会福祉充実残額とは、社会福祉法人における事業継続に必要な財産額をいう。
× 社会福祉充実残額は、純資産の額から事業継続に必要な財産の額を控除して得た額です(社会福祉法第55条の2)。(第33回 福祉サービスの組織と経営 問題124)
社会福祉充実残額が生じた場合は地域福祉計画を策定する必要がある。
× 策定するのは社会福祉充実計画で、所轄庁の承認を受けます。地域福祉計画は市町村が策定する計画で、別の計画です。(第34回 福祉サービスの組織と経営 問題123)


コメント