危機介入アプローチとは
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たくさんあるので、読む順番もご紹介しています。
危機介入アプローチは、ラポポートやキャプランによって提唱されました。起源にあるのは、リンデマンの悲嘆に関する研究です。
リンデマンの悲嘆研究
リンデマン(Erich Lindemann)は1944年に急性悲嘆反応の研究を発表しました。
1942年、ボストンのナイトクラブで火災が起きました。490人以上が亡くなった大事故で、リンデマンは精神科医として、亡くなった方の遺族や生存者に面接をしました。その結果、悲嘆には共通した反応があり、しかも同じ経過をたどることがわかりました。身体の症状が出る、故人のことで頭がいっぱいになる、罪責感が湧く、怒りが出る、日常の行動ができなくなる。そして時間とともに変化していきます。
それまで、深い悲しみの中にいる人の状態は「個別」の状態として見られていましたが、リンデマンは、そこに誰にでも起こる、同じ経過をたどる反応があることを示しました。
同じ経過をたどるなら、途中で介入できます。しかも、悲嘆反応がうまく進まないとその後に問題が残ることも示されたので、早い時期に関わる意味が出てきました。ここからキャプランが危機理論を組み立て、危機介入アプローチにつながります。「できるだけ早期に介入する」という特徴の出どころが、この研究です。
危機とは何か
着目するのは、人の自我機能です。自己対処できないほどの問題に直面して、バランスを崩した状態。これを危機と捉えます。
その人が弱いということではありません。誰であっても、自分の力では処理しきれない出来事に出会えば、バランスは崩れます。
できるだけ早期に、短期集中的に
危機的な状況に陥ったクライエントに、できるだけ早期に介入します。そして、短期集中的に働きかけます。時間をかけて関係を築いてから、ではありません。バランスを崩している、まさにそのときに入ります。
どこまで回復させるのか
目指すのは、危機に陥る以前に保持していた機能遂行の水準まで回復させることです。焦点を当てるのは、社会的機能の回復です。現実を受け入れ、再出発することを支援します。
国家試験では、危機介入アプローチについて次のように出題されました。
×「ソロモン(Solomon, B.)のエンパワメントアプローチは、人の自我機能に着目し、自己対処できないほどの問題に直面しバランスを崩した状態を危機と捉える。」(第34回問題100)→これはエンパワメントアプローチではなく、危機介入アプローチのことです。
×「キャプラン(Caplan, G.)の危機介入アプローチは、クライエントが社会から疎外され、抑圧され、力を奪われていく構造に目を向ける。」(第34回問題100)→これは危機介入アプローチではなく、エンパワメントアプローチのことです。
×問題解決アプローチの説明として「クライエントが直面している危機状況に対して,短期集中的に働きかける。」(第37回問題71)→これは問題解決アプローチではなく、危機介入アプローチのことです。
過去問を解いてみましょう
第34回問題100
ソーシャルワークのアプローチに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ソロモン(Solomon, B.)のエンパワメントアプローチは、人の自我機能に着目し、自己対処できないほどの問題に直面しバランスを崩した状態を危機と捉える。
2 キャプラン(Caplan, G.)の危機介入アプローチは、クライエントが社会から疎外され、抑圧され、力を奪われていく構造に目を向ける。
3 ホワイト(White, M.)とエプストン(Epston, D.)のナラティヴアプローチは、クライエントの生活史や語り、経験の解釈などに関心を寄せ、希望や意欲など、肯定的側面に着目する。
4 リード(Reid, W.)とエプスタイン(Epstein, L.)の課題中心アプローチは、クライエントが解決を望む問題を吟味し、計画的に取り組む短期支援である。
5 サリービー(Saleebey, D.)のストレングスアプローチは、クライエントの否定的な問題が浸み込んでいるドミナントストーリーに焦点を当て家族療法を行う。
解説
1→×これはエンパワメントアプローチではなく、危機介入アプローチのことです。
2→×これは危機介入アプローチではなく、エンパワメントアプローチのことです。
3→×希望や意欲などの肯定的側面に着目するのは、ナラティヴアプローチではなく、ストレングスアプローチです。
4→○課題中心アプローチの説明です。
5→×ドミナントストーリーに焦点を当てるのは、ストレングスアプローチではなく、ナラティヴアプローチです。
第37回問題71
問題解決アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 クライエントのもつ主体的な意志の力に注目し,支援機関の活用を図る。
2 クライエントの動機づけ,能力,機会を把握して支援を進める。
3 クライエントが直面している危機状況に対して,短期集中的に働きかける。
4 クライエントへの直接的な支援とともに,個人を取り巻く環境に働きかけを行う。
5 クライエントが解決を望む問題について,目標と期限を設定し課題に取り組む。
解説
1→×これは問題解決アプローチではなく、機能的アプローチのことです。
2→○動機づけ・能力・機会を把握するのは、問題解決アプローチです。
3→×これは問題解決アプローチではなく、危機介入アプローチのことです。
4→×これは問題解決アプローチではなく、心理社会的アプローチのことです。
5→×これは問題解決アプローチではなく、課題中心アプローチのことです。
すっきり整理
ほかのアプローチと、読む順番についての記事はこちら
→ソーシャルワークのアプローチ 記事一覧|読む順番と提唱者・人名


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