【相談援助のアプローチシリーズ】ナラティブアプローチ完全攻略|ポストモダン・過去問解説(ホワイト・エプストン)

相談援助

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1. ナラティヴ・アプローチとは?

ナラティヴ・アプローチは、ホワイトエプストンが示した実践モデルです。

最大のテーマは「クライエントの主体性と語り(物語)を尊重すること」。

専門家が客観的に分析して「あなたの問題はこれだ」と決めつけるのではなく、「本人が出来事をどう捉え、どう語っているか」を何よりも大切にします。

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2. 背景にある2つの考え方(ポストモダン・社会構成主義)

ナラティヴ・アプローチの土台には、従来の「科学的・客観的な正解」を疑う2つの思想があります。

  • 社会構成主義「問題」とは最初から客観的に存在するものではなく、人々の関わりや社会的な意味づけによって作られるという立場。(例:「不登校」という言葉・枠組み自体が、社会によって定義されたもの)
  • ポストモダン「専門家が客観的に測れば唯一の正しい答えがわかる」という近代的な考え方を疑う立場。「その正しさは誰基準なのか?」を問い直します。

つまり、「専門家が正解を押し付けるのではなく、本人の語り(物語)の中にこそ真実がある」という立場に立つのがナラティヴ・アプローチです。

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3. 重要キーワード:2つの「ストーリー」

ナラティヴ・アプローチを理解する上で、絶対に外せないのが次の2つの用語です。

  • ドミナント・ストーリー(支配的な物語)「自分はダメな人間だ」「どうせ失敗する」など、クライエント自身を苦しめ、支配してしまっている物語
  • オルタナティヴ・ストーリー(もうひとつの物語)対話を通して見出す、これまでの物語に隠れていた「うまくいった経験」や「新たな解釈」に基づいた前向きな物語

支援のゴール

クライエント自身を苦しめているドミナント・ストーリーを変容させ、対話の中でオルタナティヴ・ストーリー(もうひとつの物語)を構築すること。

過去の出来事に新たな意味を見出し、「人生の物語を書き直す(再構築する)」お手伝いをするのが支援者の役割です。

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4. 支援者の基本姿勢(やってはいけないこと)

支援者は、クライエントの語りに対して次のような関わりをしません

  • 意味づけ・解釈(「それは〜〜ということですね」と勝手に決めつける)
  • 否定・制止(「そんな悲しいことを言わないでください」と遮る)
  • 安易な励まし(「この先きっと良いことがありますよ」となだめる)
  • 一方的な助言(「こうすると良いと思いますよ」と指示する)

語るのはあくまで本人です。支援者は本人が安心して語れる場をつくり、自ら物語を書き換えていくプロセスを伴走します。

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5. 過去問でアウトプット!

第31回 問93

ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークに関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. クライエントの主体性や語りを重視する。
  2. クライエントの欠点を直す援助を志向する。
  3. 社会構成主義への批判から発展している。
  4. 客観主義、実証主義を追求する。
  5. サービス提供の効率性を求める。

正解:1

解説: ポストモダンや社会構成主義の影響を受け、客観主義を離れて「本人の語り」を重視するのがナラティヴ・アプローチです。なお、社会構成主義への批判ではなく、その影響を受けて発展しました(選択肢3は×)。

第31回 問101

ナラティヴ・アプローチに基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「そのような悲しいことを言わないでください」
  2. 「何があなたをそのような気持ちにさせているのか教えてください」
  3. 「奥さんの死がBさんの孤独を深めているのかもしれません」
  4. 「グループ活動に積極的に参加するといいと思います」
  5. 「この先きっといいこともありますよ」

正解:2

解説: 選択肢2のみが、クライエント自身の語りを促す問いかけになっています。1は否定、3は支援者側の勝手な意味づけ・解釈、4は助言、5は安易な励ましであり、いずれも不適切です。

第35回 問99(一問一答)

ナラティヴ・アプローチでは、クライエントのドミナント・ストーリーを変容させることを目指し、オルタナティヴ・ストーリーを作り上げ、人生を再構築するように促す。

正解:〇

解説: 定義通りの正しい記述です。

第38回 問112(一問一答)

ナラティヴ・アプローチでは、クライエントがこれまで気づいていなかった真実や過去の出来事に対する新たな解釈を見出し、人生を書き直すための助けをする。

正解:〇

解説: 本人が語り直しを通して新たな意味を見出していくプロセスを正確に説明しています。

第29回 問101(引っ掛け注意)

ライフストーリーの書き換えを目指した技法は、パールマンが提唱した問題解決アプローチである。

正解:×

解説: 「ライフストーリーの書き換え(語り直し)」を目指すのはナラティヴ・アプローチ(提唱者:ホワイト&エプストン)です。

6. まとめ(要点チェック)

  • 提唱者: ホワイト/エプストン
  • 背景思想: ポストモダン/社会構成主義
  • 重要キーワード: 主体性と語り/ドミナント・ストーリー/オルタナティヴ・ストーリー/人生の再構築
  • 一言でいうと: 自分を縛る物語を、対話を通して「語り直し(書き換え)」していくアプローチ

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