ソーシャルワークの過程|ケースの発見からアフターケアまでの8段階

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ソーシャルワークの過程は8つの段階に分かれる

相談を受けてから支援を終えるまでの流れを、ソーシャルワークの過程(展開過程)といいます。

段階は8つです。
①ケースの発見
②エンゲージメント(インテーク)
③アセスメント
④プランニング
⑤支援の実施
⑥モニタリング
⑦支援の終結と事後評価
⑧アフターケア

国家試験では、それぞれの段階で何をするのかを問う問題と、事例を読んでどの段階の対応かを判断させる問題が出題されています。

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①ケースの発見

支援を必要としている人を見つける段階です。

相談に来た人だけを対象にするのではなく、困っていても自分から相談できない人、そもそも制度を知らない人、支援を受けることをためらっている人等も対象です。このような人に対する働きかけを、アウトリーチといいます。

この段階では、まだ支援の対象になるかどうかが決まっていません。関係機関や地域住民からの情報、訪問活動などを通じて、支援につながる可能性のある人を把握します。

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②エンゲージメント(インテーク)

クライエントと最初に出会い、支援を始めるかどうかを話し合う段階です。受理面接とも呼ばれます。

ここで行うことは4つです。
・クライエントが何に困っているのか(主訴)を聴く
・所属機関でどのような支援ができるかを伝える
・支援を始めることについて合意する(契約)
・信頼関係(ラポール)を築く

あわせて、緊急に対応すべき状態にないかを判断します。虐待を受けている、健康状態が危ういといった場合は、権利や生命を守ることが優先されます。

また、自分の機関で対応できる内容かどうかを見きわめ、必要なら他機関につなぎます。この見きわめをスクリーニングといいます。

インテークとエンゲージメントは、ほぼ同じ意味で使われます。ただしエンゲージメントという語には、ソーシャルワーカーとクライエントが対等な立場で関係を結ぶという意味合いが込められています。

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③アセスメント

クライエントの状況について情報を集め、何が課題なのかを明らかにする段階です。

集めるのは、困りごとだけではありません。生活歴、家族関係、周囲の人や機関との関わり、経済状況、健康状態など、幅広く把握します。あわせて、その人が持っている強みや、活用できる資源も見ていきます。

関係を整理するために、図を使うことがあります。
エコマップとジェノグラム|ソシオグラムとの違い・ハートマンのマッピング技法

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④プランニング

アセスメントで明らかになった課題をもとに、支援の目標と内容を決める段階です。

目標はソーシャルワーカーが独断で決めるものではありません。クライエントと一緒に考え、本人が実現したいと思う生活像とつながる形で設定します。何をすればよいのかが具体的に分かる目標であること、自分にもできそうだと思える段階を踏んだ目標であることが、意欲につながります。

⑤支援の実施

立てた計画に沿って支援を行う段階です。

クライエントに直接働きかけることもあれば、家族や関係機関、地域に働きかけることもあります。人と環境の両方に目を向けるのがソーシャルワークの特徴です。

⑥モニタリング

支援が計画どおりに進んでいるか、状況に変化がないかを確認する段階です。

サービスが実際に提供されているか、クライエントに新たな困りごとが生じていないか、関係機関との連携がとれているかを、支援を続けながら確認します。

再アセスメント

モニタリングで計画を見直す必要が分かった場合に、あらためて情報を集め直し、課題を分析し直すことを再アセスメントといいます。段階としては③のアセスメントと同じことを行いますが、支援を続けているなかで行うのが再アセスメントです。

計画を見直す必要が生じます(状況が変わったときや、クライエントから新たな希望が出てきたとき等)

主に、本人の状態と、本人が望むことの実現に向けて何が課題になるかを確認します

計画そのものを見直す必要性があると判断した場合は④のプランニングに戻ります。

なお、いったん終結した人から新たに支援の申し出があった場合は、支援が継続している状態ではないため、あらためて最初からのアセスメントになります。

⑦支援の終結と事後評価

課題が解決し、支援を終える段階です。あわせて、支援全体を振り返って評価します。

評価するのは、目標の達成度合いだけでなく、クライエントがその支援をどう受けとめたかという主観的な満足度や、ソーシャルワーカーの関わり方が適切だったかも対象になります。

この評価を事後評価といいます。テキストによっては結果評価、エバリュエーションと呼ばれることもあります。

⑧アフターケア

支援を終えたあとのフォローです。

終結したあとに、同じ問題が再び起きていないか、新たな問題が生じていないかを確認します。必要があれば、再び支援につなぎます。

間違えやすい段階の見分け方

試験で解答に迷いやすい単語を整理しておきましょう。次の3組を押さえておくと解きやすくなると思います。

混同しやすい組み合わせ見分け方
モニタリングと事後評価モニタリングは支援を続けている途中に行います。事後評価は支援を終えるときに行います。
事後評価とアフターケア事後評価は、支援計画が十分に実施されたか、目標が達成できたかを振り返るものです。見ているのは支援そのもので、終結するときに行います。アフターケアは終結したあとに、問題が再発していないか、新たな問題が生じていないかを確認するものです。見ているのはクライエントのその後の状態です。
アセスメントと再アセスメント行うことは同じです。アセスメントは支援を始める前に、再アセスメントは支援を続けるなかで計画を見直す必要が生じたときに行います。

過去問を確認しましょう

第38回問題70

事例を読んで,相談支援事業所のB相談支援専門員(社会福祉士)がCさんへの再アセスメントで行うことに関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事例〕
Cさん(27歳,男性)は,19歳で統合失調症を発症し 2 か月入院した。退院後は,デイケアやグループホームを活用して生活訓練を行ってきた。 2 年前からは,日中は週 5 日間,就労継続支援A型事業所で,清掃作業とチラシの折り込み作業を行っている。現在は症状も安定し,服薬管理も問題なく,事業所の給料と年金で一人暮らしをしている。Cさんは,引き続き,相談支援計画を作成しているBに「A型事業所の職員を見ていて,正社員の仕事に就きたいと思うようになった」と相談してきた。

1 ピアスタッフとしてA型事業所で働くことの意思の有無を確認する。
2 正社員での就労に向けた課題を確認する。
3 A型事業所で働くメンバーにCさんの転職の可能性を確認する。
4 正社員での就労に向けた具体的な手段と手続きを決めて,Cさんに確認する。
5 就労意欲の高まりと,現実認識の程度を確認する。

解説

Cさんから正社員として働きたいという新たな希望が出ています。再アセスメントで確認するのは、その希望をCさん自身がどう捉えているかと、実現に向けて何が課題になるかです。

正答は2と5です。

1→× Cさんが話したのは正社員の仕事に就きたいということです。ピアスタッフとして働くことは本人が述べていない内容であり、確認する場面ではありません。
2→○ 新たな希望が出てきたことを受けて、その実現に向けて何が課題になるのかを把握します。再アセスメントで行うことです。
3→× Cさん本人ではなく、他のメンバーに転職の可能性を尋ねることになります。本人の同意なく情報を扱うことにもなり、適切ではありません。
4→× 手段と手続きを決めるのはプランニングの段階です。またソーシャルワーカーが先に決めてから本人に確認する進め方は、自己決定を尊重する姿勢と合いません。
5→○ 就労意欲がどの程度高まっているのか、正社員として働くことをどのように受けとめているのかを把握します。本人の状態を確認する再アセスメントの内容です。

第37回問題75

ソーシャルワークの事後評価に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 クライエントが望んだ場合においてモニタリングの前に行う。
2 クライエントの状況の変化に応じて行う。
3 ワーカーがクライエントのプランニングに至る前に行う。
4 結果評価の他,クライエントの主観的な満足度や支援者の関わり方について行う。
5 クライエントの希望や望みを聞き,エンゲージメントのプロセスに基づいて行う。

解説

事後評価は、支援を終えるときに行う振り返りです。何を評価するのかと、いつ行うのかの2点で選択肢を見ていきます。

正答は4です。

1→× 事後評価は支援を終えるときに行うものです。モニタリングより先に行うことはありません。
2→× 事後評価は支援を終えるときに行うものです。支援を続けながら状況の変化を確認するのはモニタリングです。
3→× プランニングの前に行うのはアセスメントです。
4→○ 目標が達成できたかという結果に加え、クライエントの主観的な満足度や、ソーシャルワーカーの関わり方も評価の対象になります。
5→× 希望や望みを聴くのはエンゲージメント(インテーク)やアセスメントの段階で行うことです。

第36回問題105

ソーシャルワークの過程におけるアフターケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 ソーシャルワーカーや支援チームの状況変化に応じて行う。
2 クライエントとの間に信頼関係を形成することが目的となる。
3 アセスメントの精度を高めることが目的である。
4 問題の新たな発生や再発が起きていないか確認をする。
5 支援計画が十分に実施されたかを評価する。

解説

アフターケアは、支援を終えたあとに行います。見ているのはクライエントのその後の状態です。終結前に行うことや、支援そのものを振り返ることは、別の段階にあたります。

正答は4です。

1→× アフターケアはクライエントの状況を確認するために行うものであり、支援する側の変化に応じて行うものではありません。
2→× 信頼関係を形成するのは、エンゲージメント(インテーク)の段階です。
3→× アセスメントの精度を高めることが目的ではありません。
4→○ 終結したあとに、同じ問題が再び起きていないか、新たな問題が生じていないかを確認します。
5→× 支援計画が十分に実施されたかを評価するのは、事後評価です。

第36回問題107

次の記述のうち,ケアマネジメントの一連の過程における再アセスメントに関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 サービスを新たに開始するために,クライエントの望む生活に向けた目標を設定し,その実現に向けて支援内容を決定した。
2 クライエントの生活状況の変化によるサービス内容の見直しのために,新たに情報収集し,課題の分析を行った。
3 クライエントの課題が解決したため,ケアマネジメントを終了することを確認した。
4 クライエントになる可能性のある人の自宅やその地域を訪問し,ニーズを把握した。
5 サービスの終結をした者から,新たにサービス利用の申し出があったため,情報の収集を行った。

解説

ケアマネジメントの過程も、ソーシャルワークの過程と同じ流れをたどります。選択肢は5つとも、それぞれ別の段階を説明しています。どの段階のことを述べているかを見分ける問題です。

正答は2です。

1→× 目標を設定し支援内容を決定するのは、プランニングです。
2→○ 生活状況が変わったことを受けて、あらためて情報を集め、課題を分析し直しています。再アセスメントです。
3→× 課題が解決したため終了を確認するのは、終結です。
4→× クライエントになる可能性のある人を訪問してニーズを把握するのは、ケースの発見です。
5→× いったん終結した人から新たに申し出があった場合は、あらためて最初から情報を集めることになります。継続している支援の途中で行う再アセスメントとは異なります。

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