フェミニストアプローチ|女性への抑圧の顕在化とエンパワメントとの違い

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ソーシャルワーク
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フェミニストアプローチとは

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たくさんあるので、読む順番もご紹介しています。

フェミニズム(女性解放運動)の思想をソーシャルワークに取り入れたアプローチです。女性が抱える生きづらさを、個人の問題としてではなく、性別による社会的な抑圧の構造から捉えます。

合言葉は「個人的なことは政治的なこと」。一人の女性の悩みに見えるものの背後には、社会の仕組みやジェンダーの偏りがある、という視点です。

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キーワードは「女性への抑圧の顕在化」

支援の目標は、女性自身のエンパワメントと、抑圧を生む社会構造の変革の両方です。個人への支援にとどまらず、社会への働きかけまでを射程に入れる点が特徴になります。

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エンパワメントアプローチとの区別

フェミニストアプローチもエンパワメントアプローチも、個人の内面の治療にとどまらず、抑圧を生む社会の仕組みへの働きかけまでを含みます。2つを区別する軸は「ジェンダーと女性への抑圧に焦点を当てているか」です。

エンパワメントアプローチとは、発想が近いアプローチです。フェミニストアプローチは、その中でも、ジェンダーと女性への抑圧に焦点を当てています。

→エンパワメントアプローチ(ソロモン)|パワーレスネスと抑圧構造を整理

国家試験では、フェミニストアプローチについて次のように出題されました。
×「問題解決アプローチでは,女性にとっての差別や抑圧などの社会的現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。」(第36回問題100)→これは問題解決アプローチではなく、フェミニストアプローチのことです。
×機能的アプローチの説明として「クライエントが被っている差別や抑圧に対抗するため、既存の制度や政策を批判し、これらの変革を目指す。」(第33回問題101)→これは機能的アプローチではなく、フェミニストアプローチのことです。
×「フェミニストアプローチは、クライエント自らが問題を解決するための課題を設定し、あらかじめ決められた期間の中で課題を達成することを目指す。」(第31回問題103)→これはフェミニストアプローチではなく、課題中心アプローチのことです。
×「フェミニストアプローチでは,システム理論に基づいて問題を定義し,ソーシャルワーカーのクライエントに対する教育的役割を重視し,段階的に目的を達成することを目指す。」(第36回問題100)→フェミニストアプローチは、システム理論ではなく、女性が受けている差別や抑圧という社会的現実から問題を捉えます。

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過去問を解いてみましょう

第36回問題100

ソーシャルワークのアプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 機能的アプローチでは, 4 つのPを実践の構成要素として,クライエントのコンピテンス,動機づけとワーカビリティを高めることを目指す。
2 問題解決アプローチでは,女性にとっての差別や抑圧などの社会的現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。
3 ユニタリーアプローチでは,ソーシャルワーカーが所属する機関の機能と専門職の役割機能の活用を重視し,クライエントのもつ意志の力を十分に発揮できるよう促すことを目指す。
4 実存主義アプローチでは,クライエントが自我に囚われた状態から抜け出すために,他者とのつながりを形成することで,自らの生きる意味を把握し,疎外からの解放を目指す。
5 フェミニストアプローチでは,システム理論に基づいて問題を定義し,ソーシャルワーカーのクライエントに対する教育的役割を重視し,段階的に目的を達成することを目指す。

解説

1→×これは機能的アプローチではなく、問題解決アプローチ(パールマン)のことです。
2→×これは問題解決アプローチではなく、フェミニストアプローチのことです。
3→×これはユニタリーアプローチではなく、機能的アプローチのことです。「機関の機能」と「意志の力」の二つがそろっています。
4→○実存主義アプローチの説明です。
5→×フェミニストアプローチは、女性が受けている差別や抑圧という社会的現実に目を向けるアプローチです。

第33回問題101

次のうち、ソーシャルワークにおける機能的アプローチに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 クライエントが被っている差別や抑圧に対抗するため、既存の制度や政策を批判し、これらの変革を目指す。
2 クライエントとのコミュニケーションを通じ、クライエントのパーソナリティの変容と環境との機能不全の改善を目指す。
3 クライエントのニーズを機関の機能との関係で明確化し、援助過程の中でクライエントの社会的機能の向上を目指す。
4 クライエントの望ましい行動を増加させ、好ましくない行動を減少させることを目指す。
5 クライエントの問題の解決へのイメージに焦点を当て、問題が解決した状態を実現することにより、クライエントの社会的機能の向上を目指す。

解説

1→×差別や抑圧に対抗し、制度や政策の変革を目指すのは、機能的アプローチではなく、フェミニストアプローチなど、抑圧の構造に目を向けるアプローチの考え方です。
2→×これは機能的アプローチではなく、心理社会的アプローチのことです。
3→○クライエントのニーズを機関の機能との関係で明確化するのは、機能的アプローチの説明です。
4→×これは機能的アプローチではなく、行動変容アプローチのことです。
5→×これは機能的アプローチではなく、解決志向アプローチのことです。

第31回問題103

ソーシャルワークのアプローチに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 解決志向アプローチは、クライエントが抱く解決のイメージを尊重し、その実現に向けてクライエントの社会的機能を高めることを目指す。
2 行動変容アプローチは、クライエントが、置かれている否定的な抑圧状況を認識し、自らの能力に気付き、その能力を高め、問題に対処することを目指す。
3 エンパワメントアプローチは、行動を学習の結果として捉え、正しく学習することにより問題行動を消去することを目指す。
4 フェミニストアプローチは、クライエント自らが問題を解決するための課題を設定し、あらかじめ決められた期間の中で課題を達成することを目指す。
5 課題中心アプローチは、クライエントが自らの人生のストーリーを理解し、新たなストーリーに書き換えていくことを目指す。

解説

1→○解決志向アプローチの説明です。
2→×これは行動変容アプローチではなく、エンパワメントアプローチのことです。
3→×これはエンパワメントアプローチではなく、行動変容アプローチのことです。
4→×これはフェミニストアプローチではなく、課題中心アプローチのことです。
5→×これは課題中心アプローチではなく、ナラティヴアプローチのことです。

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すっきり整理

項目 内容 提唱者 特定の一人ではなく、フェミニズム運動から発展 キーワード ジェンダー、女性への抑圧の顕在化 キーワード 個人的なことは政治的なこと 目標 女性自身のエンパワメントと、社会構造の変革 ひとことで 彼女の悩みの背後にある、社会の偏りを見る 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

ほかのアプローチと、読む順番についての記事はこちら
→ソーシャルワークのアプローチ 記事一覧|読む順番と提唱者・人名

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