カンファレンスと事例検討で出題された論点
カンファレンスと事例検討は、次の形で出題されています。
①事例検討会の進め方(第34回問題107、第37回問題119)
②事例分析の視点→事例検討会での発言(第37回問題118)
③手段的事例と固有事例(第36回問題113)
第37回の2問は、専門科目の「ソーシャルワークの理論と方法(専門)」で出題されました。手段的事例と固有事例については、別の記事にまとめています。
→手段的事例と固有事例の見分け方|分かれるのは目的ではなく対象
カンファレンスと事例検討
カンファレンスは、支援に関わる人たちが集まり、情報を共有して、支援の方針と役割を決める会議です。退院前に病院や在宅の支援者が集まる会議、地域包括支援センターが開く地域ケア会議などがあります。
事例検討は、一つの事例を参加者で検討し、支援の見直しや、支援者の学びにつなげることです。担当者が対応に困っている事例を出し、ほかの参加者が質問や意見を出し合います。事例を出す人を、事例提供者といいます。
事例検討会の進め方
事例検討会の進め方や、参加者の発言の仕方について、次の考え方が共通しています。
①事例提供者に敬意を払う→事例提供者が責められていると感じないように配慮する
②事実に基づく→参加者の個人的な体験ではなく、資料に示された事例の事実をもとに検討する
③時間と論点は進行役が管理する→終了時刻を守り、論点がずれたら進行役が戻す
④参加者は対等に発言する→経験の長さや立場に関係なく、多様な視点を出し合う
⑤本人を中心に→周りの人の困りごとより先に、本人の考え、強み、状態を確かめる
どのような事例でも、この五つの考え方で選択肢を見ることでスムーズに正誤を確認することができます。下の3問は、この考え方で解くことができます。
過去問を解いてみましょう
解説の( )内の①〜⑤は、上の「事例検討会の進め方」で挙げた考え方の番号です。
第34回問題107
事例検討会進行の際の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 事例提供者の心理状態や気持ちにも配慮しながら進行する。
2 検討の際、参加者の個人的な体験に基づいて検討するよう促す。
3 終了時刻が近づいてきても、検討が熱心に続いているのであれば、終了時刻を気にせず検討を継続する。
4 検討の論点のずれの修正は、参加者に委ねる。
5 経験の長さと発言の長さが比例するように話を振り、時間配分する。
解説
1→○事例提供者の気持ちに配慮して進めます(①事例提供者に敬意を払う)。
2→×個人的な体験ではなく、事例の事実に基づいて検討します(②事実に基づく)。
3→×終了時刻を守ります(③時間と論点は進行役が管理する)。
4→×論点のずれは、参加者に任せず、進行役が修正します(③)。
5→×経験の長さに関係なく、参加者が対等に発言できるようにします(④)。
第37回問題119
事例を読んで,A社会福祉士が事例検討を行う際に配慮すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
〔事 例〕
B市高齢福祉課のAは,ある日後輩のC相談員(社会福祉士)から「最近複雑な生活課題を持っているクライエントへの対応に苦慮しているので,事例検討の場を設けてほしい」と依頼を受けた。
1 クライエントも含めて参加者を組織する。
2 参加者は,Cと同じ経験年数の者で構成する。
3 時間にとらわれずに,結論が出るまで検討する。
4 Cが事例報告をする際には,資料を活用せず口頭で行う。
5 Cが他の参加者からのコメントに防衛的にならないようにする。
解説
1→×事例検討は、支援者どうしが、クライエントの状況や支援者の迷いを率直に話し合い、支援を見直す場です。クライエントは参加者に含めません。
2→×経験の違う参加者が加わると、多様な視点が得られます(④)。
3→×時間を決めて進めます(③)。
4→×資料を用意すると、参加者が事例を正確に理解できます(②事実に基づく)。
5→○事例提供者のCが、責められていると感じて身構えないように配慮します(①事例提供者に敬意を払う)。
第37回問題118
事例を読んで,事例分析の視点から見て,クライエントのAさんに関する事例検討会における参加者からの発言のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。
〔事 例〕
地域の居宅介護支援事業所がケアマネジャーを対象とした定例の事例検討会を開催した。事例提供者のB居宅介護支援事業所のCケアマネジャーから,一人暮らしのAさん(85 歳)の事例が報告された。CケアマネジャーはAさん宅を訪問した際,近隣住民から「Aさんは約 2 か月前からゴミ収集のない日にごみ出しをしている」「自分の部屋がわからなくなりマンションの管理人が何度も付き添って帰宅している」という話を聞いていることを参加者に報告し,今後の支援について参加者に意見を求めた。
1 「Aさんについて近隣住民が困っていることをヒアリングしてはどうでしょうか」
2 「Cケアマネジャーは,Aさんの強みや状態をどのように捉えていますか」
3 「まずは,マンションの管理人にAさんの今後についての考えを聞いてみてはいかがでしょうか」
4 「一人暮らしの継続は難しいので,グループホームの利用を促してはどうでしょうか」
5 「Aさん自身は,今の状況についてどのようにお考えなのでしょうか」
解説
1→×周りの人の困りごとが中心になり、Aさん本人が置き去りになります(⑤本人を中心に)。
2→○事例提供者が、Aさんの強みや状態をどう捉えているかを確かめています。
3→×本人の考えより先に、管理人の考えを聞こうとしています(⑤)。
4→×一人暮らしは難しいと決めつけ、結論を急いでいます。
5→○Aさん自身の考えを確かめようとしています(⑤)。
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→ソーシャルワーク 記事マップ|基盤と専門職・理論と方法(共通・専門)旧:相談援助


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