ソーシャルワークに関連する方法|コーディネーション・ネゴシエーション・ファシリテーション・プレゼンテーション

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ソーシャルワーク
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ソーシャルワークに関連する方法で出題された論点

出題基準では、ソーシャルワークに関連する方法として、コーディネーション、ネゴシエーション、ファシリテーション、プレゼンテーションの四つが挙げられています。第31回から第38回までに、これらに関わる内容が次の形で出題されています。
①ソーシャルワーカーの役割の名称と内容(第31回問題107、第38回問題116)
②特定の人に負担が偏っているときの調整→事例問題(第33回問題118)

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四つの方法

ソーシャルワーカーは、クライエントと一対一で関わるだけでなく、関係者や関係機関の間に入って支援を進めます。そのときに使うのが、次の四つの方法(具体的な場面で用いる技法)です。
①コーディネーション→関係者や機関の動きを調整し、支援の方向性を一本化する
②ネゴシエーション→立場や利害の違う相手と話し合い、合意できる着地点を見つける
③ファシリテーション→会議や話し合いを通じて、参加者が意見を出しやすい仕組みを作る
④プレゼンテーション→支援の必要性や内容を、相手に伝わるように説明し、提案する

たとえば、入院中の高齢者が自宅に退院する場面を考えてみます。
①コーディネーションの例:病院、ケアマネジャー、訪問看護、家族の予定と役割をすり合わせる
②ネゴシエーションの例:家族が「仕事があるので退院後、毎日は来られない」と困っている場合、家族とサービス事業者の間で、誰が何を担うかについて話し合う
③ファシリテーションの例:退院前のカンファレンスで、話しやすい雰囲気をつくり、発言の少ない家族にも話を振りながら、全員に考えていることを話してもらう
④プレゼンテーションの例:カンファレンスで、本人の状態と、自宅での生活に必要な支援を資料にまとめて説明し、支援計画の案を示す

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ソーシャルワーカーの役割

ここまでの四つは、支援の具体的な場面で用いる技法です。これに対して、ソーシャルワーカーがその場面で担う役割には、次のような名前が付けられています。技法と役割は、互いに関連しています。たとえば、ネゴシエーションの技法を使ってクライエントのために交渉するとき、ソーシャルワーカーはネゴシエーターの役割を果たしています。また、対立している人どうしの間に入る場合、ファシリテーションやネゴシエーションの技法を使いつつ、メディエーターの役割を果たすことになりますカタカナの名前が覚えにくいときは、元の英単語を見ると意味がつかみやすくなります。それぞれの英単語も添えておきます。
①ブローカー(broker:仲介する人)→クライエントと必要な社会資源を結びつける
②メディエーター(mediator:仲裁する人。medi=真ん中で、MサイズのM(medium)と同じ語源で、間に入る人というイメージです)→クライエントと周りとの間に起きた食い違いや対立に入り、調整する
③エデュケーター(educator:education=教育をする人)→クライエントが必要な情報や技術を学ぶ機会を提供する
④イネーブラー(enabler:enable=できるようにする人)→支えや励ましで、クライエントが自分で課題に取り組めるようにする
⑤ネゴシエーター(negotiator:negotiation=交渉をする人)→クライエントのために、利害関係のある関係者と話し合い、交渉する

国家試験では、ソーシャルワーカーの役割について次のように出題されました。
○「ブローカーは、クライエントと必要な資源を結び付ける。」(第31回問題107)
×「エデュケーターは、クライエントと社会システムの不調和から生じるニーズに対して、葛藤を解決し、調整する。」(第31回問題107)→これはエデュケーターではなく、メディエーターのことです。
×「ネゴシエーターは、クライエントに必要な情報やスキルを学習する機会を提供する。」(第31回問題107)→これはネゴシエーターではなく、エデュケーターのことです。
×「イネーブラーは、クライエントの問題解決のために利害関係のある関係者と話し合う。」(第31回問題107)→これはイネーブラーではなく、ネゴシエーターのことです。
×「メディエーターは、クライエントに支援、励まし、指示を与えることで、適切に課題を遂行したり、問題解決をできるようにする。」(第31回問題107)→これはメディエーターではなく、イネーブラーのことです。

地域の課題に取り組むときの役割(プログラムディベロッパー、ファシリテーター、コンビナーなど)は、コミュニティワークの記事で紹介しています。
→コミュニティワーク|ロスマンの3つのモデルと事例で出題された進め方

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関係者と話し合って解決する

関係者どうしの間に負担や食い違いがあるとき、ソーシャルワーカーの動き方として、次の考え方が共通しています。
①丸投げしない→上部団体や別の組織に、解決を任せきりにしない
②当事者どうしが同じ場で話し合う→負担を感じている側と、負担のもとになっている側が、直接話し合える場をつくる
③原因に働きかける→負担や意見の食い違いを生んでいる原因を探り、働きかける
④個人情報を守る→個別の事情は、必要な範囲の人だけで話し合う

どのような事例でも、上の四つの考え方に着目すると、選択肢の正誤を判断しやすくなります。第33回問題118は、この考え方で解くことができます。

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過去問を解いてみましょう

第31回問題107

ソーシャルワークの援助過程におけるソーシャルワーカーの役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ブローカーは、クライエントと必要な資源を結び付ける。
2 エデュケーターは、クライエントと社会システムの不調和から生じるニーズに対して、葛藤を解決し、調整する。
3 ネゴシエーターは、クライエントに必要な情報やスキルを学習する機会を提供する。
4 イネーブラーは、クライエントの問題解決のために利害関係のある関係者と話し合う。
5 メディエーターは、クライエントに支援、励まし、指示を与えることで、適切に課題を遂行したり、問題解決をできるようにする。

解説

1→○ブローカーの説明です。
2→×葛藤を解決し、調整するのは、エデュケーターではなく、メディエーターです。
3→×情報やスキルを学ぶ機会を提供するのは、ネゴシエーターではなく、エデュケーターです。
4→×利害関係のある関係者と話し合うのは、イネーブラーではなく、ネゴシエーターです。
5→×支援や励ましで課題に取り組めるようにするのは、メディエーターではなく、イネーブラーです。

第38回問題116

事例を読んで,この段階でA市社会福祉協議会のB職員(社会福祉士)が担うソーシャルワーカーの役割として,次のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
C民生委員や地域住民が中心となって, 3 年前から商店街の空き店舗を活用した子ども食堂を開いている。独居高齢者やサービスを利用していない障害者など,見守りを必要としている人が多数いると感じているA市のC民生委員は,子ども食堂に日常的に関わっているBへ,「子どもだけでなく,地域全体を見守るようなネットワークをつくれないだろうか。商店街には空いている店舗があるので拠点として利用できないだろうか」と相談した。BはC民生委員の意向を踏まえて空き店舗の活用に取り組むことにした。

1 メディエーター
2 ファシリテーター
3 コンサルティ
4 プログラムディベロッパー
5 コンビナー

解説

1→×メディエーターは、対立している人どうしの間に入って調整する役割です。この事例では、誰も対立していません。
2→×ファシリテーターは、話し合いを進め、参加者の意見を引き出す役割です。この段階でBが取り組むのは、空き店舗の活用です。
3→×コンサルティは、専門家からコンサルテーション(助言)を受ける側です。
4→○空き店舗を拠点にした見守りネットワークという、地域に必要な新しいプログラムをつくる役割です。
5→×コンビナーは、関係者に呼びかけて集め、会議を招集する役割です。

第33回問題118

事例を読んで、Q市社会福祉協議会のAソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
Q市社会福祉協議会で民生委員協議会の支援に従事するAソーシャルワーカーは、市内の地区民生委員協議会のB会長から相談を受けた。最近、民生委員協議会の定例会で、個別のケースで対応に困る事例が増えていることや、市からの地域活動への協力依頼が多く負担が重いという意見が出てきており、会長としてどのように対応すればよいか悩んでいるとのことだった。

1 困難な問題を抱える家庭の個別対応については、住民懇談会で広く協議することを提案する。
2 どうすれば負担が軽減できるか、上部団体であるQ市社会福祉協議会へ解決を委任する。
3 地域活動に対する民生委員協議会の関わり方については、自治会・町内会で計画を立てることを促す。
4 市の担当職員を定例会に呼び、市からの協力依頼についてどうすれば負担が軽減できるか協議する。
5 負担感を訴える民生委員の代わりに、新たに民生委員になれる人を探す。

解説

1→×個別の家庭の事情を住民懇談会で広く話し合うと、個人情報が広がります。
2→×上部団体に解決を任せきりにしています。
3→×民生委員協議会の関わり方を、自治会・町内会に決めてもらうことになります。
4→○協力を依頼している市の担当職員と、負担を感じている民生委員が同じ場で話し合い、合意点を探します(ネゴシエーション)。
5→×民生委員を入れ替えても、負担の原因(市からの依頼の多さ)は変わりません。

ソーシャルワークに関する記事の一覧はこちら
→ソーシャルワーク 記事マップ|基盤と専門職・理論と方法(共通・専門)旧:相談援助

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