ソーシャルワークの専門職化|フレックスナー・グリーンウッドと専門職の属性

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ソーシャルワークの専門職化 ソーシャルワーク
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ソーシャルワークの専門職化で出題された論点

専門職化とは、専門職として認められていく過程のことです。ソーシャルワークの専門職化について、次の2問が出題されています。
①専門職化を論じた人物と、その主張(第34回問題94)
②グリーンウッドが示した専門職の属性(第37回問題109)

第37回問題109は、専門科目の「ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)」で出題されました。2問とも、フレックスナー、グリーンウッド、ミラーソン、カー-ソンダース、エツィオーニの5人が選択肢に並んでいます。これまでの出題の中心は、フレックスナーとグリーンウッドでした。優先順位を意識しながら覚えましょう。

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専門職の属性

ある職業が専門職といえるかどうかを判断するために、研究者たちは、専門職がそなえている特徴を挙げました。これを専門職の属性といいます。

フレックスナー

フレックスナーは、アメリカの医学教育の改革で知られる教育者です。1915年、全米慈善矯正会議で「ソーシャルワークは専門職か」という講演を行い、専門職の属性を挙げたうえで、ソーシャルワークはまだ専門職とはいえないと述べました。ソーシャルワーカーは、困っている人を医師や弁護士などの専門職につなぐ仲介役にとどまり、独自の専門的な技術をもっていない、という指摘です。

この講演は、ソーシャルワーカーたちに強い影響を与えました。リッチモンドが1917年に『社会診断』を出版してケースワークの方法を体系化したのも、ソーシャルワークを専門職として確立しようとする動きの一つです。

グリーンウッド

グリーンウッドは、1957年の論文「専門職の属性」で、専門職の属性を次の五つにまとめました。
①体系的な理論→実践の土台になる理論をもっている
②専門職的権威→専門的な判断について、利用者から信頼されている
③社会的承認→社会から専門職として認められている
④倫理綱領→専門職としての行動の基準をもっている
⑤専門職的副次文化→専門職団体を中心に、独自の価値や規範をもつ集団をつくっている

第37回問題109では、②が「権威」、⑤が「専門職文化」という表現で出題されています。

グリーンウッドは、ソーシャルワークはこの五つの属性をそなえており、すでに専門職であると結論づけました。フレックスナーの講演から40年あまりの間に、ソーシャルワークの理論や教育、専門職団体が整えられてきたことが背景にあります。

ミラーソン

ミラーソンは、専門職の属性を次の六つにまとめました。
①公衆の福祉という目的
②理論と技術
③教育と訓練
④テストによる能力証明
⑤専門職団体の組織化
⑥倫理綱領

日本の社会福祉士や精神保健福祉士でいえば、養成校での教育と実習が③、国家試験が④、日本社会福祉士会などの職能団体が⑤、その倫理綱領が⑥にあたります。

カー-ソンダース

カー-ソンダースは、専門職の成熟度を四つの段階に分けました。医師や弁護士のように確立している専門職から、まだ専門職を目指している段階の職業まで、職業を並べて捉えたものです。

エツィオーニ

エツィオーニは、医師や弁護士のように確立している専門職と比べて、教育や訓練の期間が短く、組織の中で働くことが多い職業を、準専門職と呼びました。教師、看護師、ソーシャルワーカーがその例です。

人物 示したこと フレックスナー ソーシャルワークはまだ専門職とはいえない(1915年) グリーンウッド 専門職の五つの属性→ソーシャルワークは専門職 ミラーソン 専門職の六つの属性(テストによる能力証明など) カー-ソンダース 専門職の成熟度の四つの段階 エツィオーニ 準専門職 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

国家試験では、専門職化について次のように出題されました。
○「フレックスナー(Flexner, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、ソーシャルワークがいまだ専門職とはいえないことを主張した。」(第34回問題94)
○グリーンウッドは「体系的な理論,権威,社会的承認,倫理綱領,専門職文化の 5 つの属性を示した。」(第37回問題109)
×「グリーンウッド(Greenwood, E.)は、既に確立している専門職と、ソーシャルワーカーを比較することによって、準専門職の概念を提示した。」(第34回問題94)→準専門職の概念を示したのは、グリーンウッドではなく、エツィオーニです。
×「カー-ソンダース(Carr-Saunders, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、その中でテストによる能力証明の必要性を主張した。」(第34回問題94)→テストによる能力証明を属性に挙げたのは、カー-ソンダースではなく、ミラーソンです。
×「エツィオーニ(Etzioni, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、その中で専門職的権威の必要性を主張した。」(第34回問題94)→専門職的権威を属性に挙げたのは、エツィオーニではなく、グリーンウッドです。
×グリーンウッドは「専門職の成熟度として, 4 つの発達段階を示した。」(第37回問題109)→専門職の成熟度を四つの段階で示したのは、グリーンウッドではなく、カー-ソンダースです。

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過去問を解いてみましょう

第34回問題94

ソーシャルワークの専門職化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ミラーソン(Millerson, G.)は、職業発展の過程から、ソーシャルワーク専門職が成立するプロセスを提示した。
2 グリーンウッド(Greenwood, E.)は、既に確立している専門職と、ソーシャルワーカーを比較することによって、準専門職の概念を提示した。
3 カー-ソンダース(Carr-Saunders, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、その中でテストによる能力証明の必要性を主張した。
4 エツィオーニ(Etzioni, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、その中で専門職的権威の必要性を主張した。
5 フレックスナー(Flexner, A.)は、専門職が成立する属性を挙げ、ソーシャルワークがいまだ専門職とはいえないことを主張した。

解説

1→×ミラーソンは、専門職が成立するプロセスではなく、専門職の属性を示しました。
2→×準専門職の概念を示したのは、グリーンウッドではなく、エツィオーニです。
3→×テストによる能力証明を属性に挙げたのは、カー-ソンダースではなく、ミラーソンです。
4→×専門職的権威を属性に挙げたのは、エツィオーニではなく、グリーンウッドです。
5→○フレックスナーは、1915年の講演で、ソーシャルワークはまだ専門職とはいえないと述べました。

第37回問題109

専門職化に関する次の記述のうち,グリーンウッド(Greenwood, E.)が述べたものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 体系的な理論,権威,社会的承認,倫理綱領,専門職文化の 5 つの属性を示した。
2 公衆の福祉という目的,理論と技術,教育と訓練,テストによる能力証明,専門職団体の組織化,倫理綱領の 6 つの属性を示した。
3 専門職の目標,知識,及び技術についての認識を示した。
4 専門職の成熟度として, 4 つの発達段階を示した。
5 他の専門職と比較することによって「準専門職」という概念を確立した。

解説

1→○グリーンウッドが示した五つの属性です。
2→×これはグリーンウッドではなく、ミラーソンが示した六つの属性です。
3→×グリーンウッドが示したのは、専門職の目標や知識、技術についての認識ではなく、専門職の五つの属性です。
4→×専門職の成熟度を四つの段階で示したのは、グリーンウッドではなく、カー-ソンダースです。
5→×準専門職の概念を示したのは、グリーンウッドではなく、エツィオーニです。

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→ソーシャルワーク 記事マップ|基盤と専門職・理論と方法(共通・専門)旧:相談援助

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