ソーシャルワークの記録の目的と様式|SOAP・フェイスシート・業務管理記録

第39回社会福祉士国家試験まで
あと―日
精神保健福祉士1日目まであと―日
ソーシャルワークの記録の目的と様式 ソーシャルワーク
スポンサーリンク

記録の目的と様式で出題された論点

ソーシャルワークの記録について、記録の目的と様式が、次の形で出題されています。
①記録の目的と書き方(第31回問題116)
②記録の様式→フェイスシート、プロセスシートなど(第34回問題114、第35回問題114)
③SOAP方式(第31回問題116、第36回問題111)

逐語体、過程叙述体、要約体などの記録の文体は、別の記事にまとめています。
→ソーシャルワークの記録の文体|逐語体・過程叙述体・圧縮叙述体・説明体・要約体の違い

スポンサーリンク

記録の目的

ソーシャルワーカーは、次の目的のために記録を書きます。
①支援の質を高める→アセスメントやモニタリングの根拠にする
②情報を共有する→担当者が休んだときや交代したときも、ほかの職員が支援を続けられるようにする
③実践の根拠と証拠を示す→どのような判断で何をしたかを示し、援助の評価に使う
④教育と研究に使う→スーパービジョンや事例研究の材料にする
⑤機関の運営管理に使う→業務日誌、月報、年報などで、機関の業務の状況をまとめる

第31回問題116では、③の「実践の根拠と証拠を示し、援助の評価にも活用される」が正答でした。

国家試験では、記録の目的について次のように出題されました。
○「実践の根拠と証拠を示し、援助の評価にも活用される。」(第31回問題116)

スポンサーリンク

事実と判断を区別して書く

記録には、見たり聞いたりした事実と、ソーシャルワーカーの判断や解釈の両方を書きます。判断を書かなければ、なぜその支援をしたのかが後から読む人に伝わりません。そのうえで、どこまでが事実で、どこからが判断なのかを、読む人が区別できるように書きます。

たとえば、「Aさんは昼食をほとんど残した」は事実です。「入居して間もないため、環境の変化で食欲が落ちていると考えられる」は判断です。

支援に必要な情報であれば、クライエントにとって不利益となる情報も記録します。記録は、本人から開示を求められることがあります。本人が読むことも考えて、表現に気をつけて書きます。

記録の開示を含め、個人情報保護法についての記事はこちら
→個人情報保護法の過去問をまとめて整理|定義・要配慮個人情報・第三者提供の例外

国家試験では、記録の書き方について次のように出題されました。
×「ソーシャルワーカーの判断や主観的な解釈を含めず、客観的な事実を記述する。」(第31回問題116)→判断や解釈も記録します。事実と区別できるように書きます。
×「クライエントに不利益となるような情報を記載しないようにする。」(第31回問題116)→支援に必要な情報であれば、不利益となる情報も記録します。

スポンサーリンク

記録の様式

支援の段階ごとに、次のような様式(シート)を使います。
①フェイスシート→クライエントの基本的属性(氏名、年齢、家族構成など)を、項目ごとにまとめる
②アセスメントシート→集めた情報と、その分析を書く
③プランニングシート→目標と、具体的な解決策を書く
④プロセスシート→目標に対する援助過程を、時系列に書く
⑤モニタリングシート→支援が始まったあとの経過を書く
⑥クロージングシート→終結のときに、援助全体の振り返りや目標達成の評価を書く

このほか、機関の運営管理のための記録として、業務日誌、月報、年報などの業務管理記録があります。

国家試験では、記録の様式について次のように出題されました。
○「プロセスシートには、目標に対する援助過程を時系列に記述する。」(第35回問題114)
×「フェイスシートには、全体の振り返りや目標達成の評価を記述する。」(第35回問題114)→これはフェイスシートではなく、クロージングシートのことです。
×「プランニングシートには、クライエントの基本的属性を項目ごとにまとめて記述する。」(第35回問題114)→これはプランニングシートではなく、フェイスシートのことです。
×「ソーシャルワーカーの教育訓練のために記すのが、月報や年報などの業務管理記録である。」(第34回問題114)→業務管理記録は、教育訓練ではなく、機関の運営管理のための記録です。

スポンサーリンク

SOAP方式

SOAP方式は、問題志向型記録(POR)で使われる記録の書き方です。問題志向型記録は、時間の順に出来事を書くのではなく、クライエントの問題ごとに、情報、判断、計画を整理して書く記録です。たとえば、施設に入居したAさんについて、次のように書きます。
問題1 夜眠れない→S・O・A・Pで書く
問題2 食事を残す→S・O・A・Pで書く
こうすると、どの問題について、何をもとにどう判断し、次に何をするのかが、読む人にすぐわかります。「問題志向型」という名前は、記録を問題ごとに整理し、その問題にどう対応するかを中心に書くことから付いています。もとは医療の分野で生まれました。SOAPは、次の四つの頭文字です。
①S(Subjective)→主観的情報。クライエントが語った内容
②O(Objective)→客観的情報。ソーシャルワーカーが観察した内容や、他機関や他職種からの情報
③A(Assessment)→アセスメント。SとOをもとにした、ソーシャルワーカーの判断や分析
④P(Plan)→計画。今後の支援の計画

項目 意味 記録の例 S 主観的情報 「夜になると眠れない」とAさんが話した O 客観的情報 夜勤職員によると、夜間に3回起きていた A アセスメント 入居後の環境の変化で、不安が強まっていると考えられる P 計画 日中の活動を増やし、1週間後に睡眠の様子を確認する 著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

SOAP方式で書くと、ソーシャルワーカーが、どの情報をもとに、どう判断し、何をするのかが、読む人にわかります。第36回問題111では、「問題と援助者の思考が明確になる問題志向型記録の一つ」が正答でした。

国家試験では、SOAP方式について次のように出題されました。
○「SOAP記録は,問題と援助者の思考が明確になる問題志向型記録の一つである。」(第36回問題111)
×「Sは,客観的情報であり,利用者の行動を観察した内容を記述する。」(第36回問題111)→Sは、客観的情報ではなく主観的情報です。
×「SOAP方式で記録する場合、Aはソーシャルワーカーが行う今後の援助計画のことである。」(第31回問題116)→Aは、援助計画ではなくアセスメントです。

過去問を解いてみましょう

第31回問題116

ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ソーシャルワーカーの判断や主観的な解釈を含めず、客観的な事実を記述する。
2 説明体は、事実についてのクライエントによる説明や解釈を記述するものである。
3 実践の根拠と証拠を示し、援助の評価にも活用される。
4 SOAP方式で記録する場合、Aはソーシャルワーカーが行う今後の援助計画のことである。
5 クライエントに不利益となるような情報を記載しないようにする。

解説

1→×ソーシャルワーカーの判断や解釈も記録します。事実と区別できるように書きます。
2→×説明体は、クライエントではなく、ソーシャルワーカーが事実についての説明や解釈を記述する文体です。
3→○記録は、実践の根拠と証拠を示し、援助の評価にも使われます。
4→×SOAPのAは、援助計画ではなくアセスメントです。援助計画はPです。
5→×支援に必要な情報であれば、クライエントに不利益となる情報も記録します。

第34回問題114

ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 時間的順序に沿って過程を細かく記述する文体は、要約体である。
2 クライエントとのインテーク面接の動画を撮影して得た情報を記す様式は、モニタリングシート(経過観察用紙)である。
3 ソーシャルワーカーがクライエントに説明した言葉をそのまま記述する文体は、説明体である。
4 ソーシャルワーカーとクライエントとの相互作用を詳細に記述する文体は、過程叙述体である。
5 ソーシャルワーカーの教育訓練のために記すのが、月報や年報などの業務管理記録である。

解説

1→×時間の順に沿って細かく記述するのは、要約体ではなく過程叙述体です。
2→×モニタリングシートは、インテーク面接の情報ではなく、支援が始まったあとの経過を記述する様式です。
3→×説明体は、話した言葉をそのまま書く文体ではなく、ソーシャルワーカーが事実についての説明や解釈を書く文体です。言葉をそのまま書くのは、逐語体です。
4→○過程叙述体は、ソーシャルワーカーとクライエントのやりとりを、時間の順に詳しく記述する文体です。
5→×月報や年報などの業務管理記録は、教育訓練のためではなく、機関の運営管理のための記録です。

第35回問題114

ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 フェイスシートには、全体の振り返りや目標達成の評価を記述する。
2 アセスメントシートには、目標を設定し具体的な解決策を記述する。
3 プロセスシートには、目標に対する援助過程を時系列に記述する。
4 プランニングシートには、クライエントの基本的属性を項目ごとにまとめて記述する。
5 クロージングシートには、クライエントの主訴、解決したいことを記述する。

解説

1→×全体の振り返りや目標達成の評価を書くのは、フェイスシートではなくクロージングシートです。
2→×目標と具体的な解決策を書くのは、アセスメントシートではなくプランニングシートです。
3→○プロセスシートの説明です。
4→×クライエントの基本的属性を書くのは、プランニングシートではなくフェイスシートです。
5→×主訴は、援助の始まりの段階で、フェイスシートやアセスメントシートに記述します。クロージングシートは、終結のときに記述する様式です。

第36回問題111

記録の方式の一つにSOAP方式がある。その内容に関して,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 Sは,客観的情報であり,利用者の行動を観察した内容を記述する。
2 Оは,主観的情報であり,利用者の語った内容を記述する。
3 Aは,支援計画であり,他機関や他専門職からの情報を記述する。
4 Pは,プロセスであり,利用者の言葉や他機関からの情報に関する判断を記述する。
5 SOAP記録は,問題と援助者の思考が明確になる問題志向型記録の一つである。

解説

1→×Sは、客観的情報ではなく主観的情報です。利用者が語った内容を記述します。
2→×Oは、主観的情報ではなく客観的情報です。観察した内容や、他機関や他職種からの情報を記述します。
3→×Aは、支援計画ではなくアセスメントです。
4→×Pは、プロセスではなく計画です。情報に関する判断は、Aに記述します。
5→○SOAPは、問題志向型記録の書き方の一つです。

ソーシャルワークに関する記事の一覧はこちら
→ソーシャルワーク 記事マップ|基盤と専門職・理論と方法(共通・専門)旧:相談援助

コメント

タイトルとURLをコピーしました