この記事はシリーズの4回目です
この記事は、社会福祉法人の計算書類シリーズ(全4回)の1つです。
次の順番で読むと、計算書類がすっきり整理できます。
①3つの計算書類をすっきり整理(全体像)
②貸借対照表の読み方
③事業活動計算書と減価償却
④計算書類の承認プロセス|監事監査から評議員会まで←今読んでいる記事
計算書類の承認プロセスとは
社会福祉法人が作成した計算書類は、所轄庁に提出しなければなりませんが、その前に法人内での手続きが必要です。まず、監事の監査を受け、理事会で承認され、評議員会で承認されるという順番を踏みます。この順番が国試で問われました(38回ではじめて)。
ここでいう計算書類は、貸借対照表と収支計算書(資金収支計算書・事業活動計算書)を指します。それぞれの内容については、シリーズの前の記事で整理しています。
→計算書類シリーズ①簡単に貸借対照表・資金収支計算書・事業活動計算書・減価償却を整理
承認までの流れ
社会福祉法人の会計年度は4月1日から3月31日までです(社会福祉法第45条の23第2項)。決算日である3月31日を過ぎると、次の順番で手続きが進みます。
| ①作成 | 法人が計算書類等を作成する |
|---|---|
| ②監査 | 監事が監査を行い、監査報告を作成する |
| ③理事会 | 理事会が計算書類等を承認する |
| ④評議員会 | 定時評議員会が計算書類を承認する |
| ⑤提出 | 所轄庁に提出する |
計算書類等の所轄庁への提出は、会計年度終了後3か月以内とされています(社会福祉法第59条)。つまり①から⑤までを、4月1日から6月30日までの間に済ませることになります。
なぜこの順番なのか?
監事は、理事の職務執行を監査する機関です。計算書類が正しく作られているかを、まずチェックします。監査を経ていない書類を理事会にかけても意味がないため、監事の監査が先に来ます。
理事会は、法人の業務執行を決定する機関です。監事の監査報告を受けたうえで、法人としての計算書類を確定させます。
評議員会は、法人運営に係る重要事項を決議する機関で、理事や監事を選任・解任する立場にあります。理事会が確定させたものを、最終的に承認します。
チェックする人(監事)→ 業務を執行する人(理事会)→ 監督する人(評議員会)という順番だと理解しておくと、覚えやすくなります。
計算書類の承認は評議員会の決議事項
計算書類の承認は、評議員会の決議事項として社会福祉法第45条の30第2項に規定されています。理事会で承認して終わりではなく、評議員会の承認まで必要です。
評議員会の決議事項には、ほかにも理事・監事・会計監査人の選任と解任、理事や監事の報酬等の額、定款の変更、社会福祉充実計画の承認などがあります。
国試での出題を確認しましょう
第38回で、承認プロセスの順番がそのまま問われました。
第38回 問題127
次の記述のうち,社会福祉法人の決算期の計算書類の承認のプロセスとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 理事会で承認し,その後,監事による監査を経て,評議員会にて承認する。
2 理事会で承認し,その後,評議員会での承認を経て,監事による監査で承認する。
3 評議員会で承認し,その後,理事会での承認を経て,監事による監査で承認する。
4 監事による監査を受け,その後,理事会での承認を経て,評議員会にて承認する。
5 監事による監査を受け,その後,理事会での承認を経て,所轄庁に提出する。
解説
1→× 監事の監査は理事会の承認より前に行われます。
2→× 監事の監査が最後になっており、順番が誤りです。また、監事は監査を行う機関であり、承認する機関ではありません。
3→× 評議員会が最初になっており、順番が誤りです。
4→○ 監事による監査、理事会の承認、評議員会の承認という順番が正しいプロセスです。
5→× 所轄庁への提出の前に、評議員会の承認が必要です。
すっきり整理
この論点で押さえておきたい内容をまとめます。
| 順番 | 監事監査 → 理事会承認 → 評議員会承認 → 所轄庁へ提出 |
|---|---|
| 会計年度 | 4月1日から3月31日まで(第45条の23第2項) |
| 提出期限 | 会計年度終了後3か月以内(第59条) |
| 根拠 | 計算書類の承認は評議員会の決議事項(第45条の30第2項) |

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