高齢者福祉の歴史②|老人医療費無料化と老人保健法をわかりやすく解説

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高齢者福祉
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高齢者福祉の歴史シリーズ

語呂合わせで、年表を覚えようとしていませんか。法律は、いつできたかではなく、どのような背景で、どのような内容だったかを覚えていないと解けません。時代背景と一緒に、流れで覚えていきましょう。

高齢者福祉の歴史は全4回です。
→①老人福祉法の制定
→高齢者福祉の歴史②|老人医療費無料化と老人保健法(この記事)
→③ゴールドプランと福祉八法改正
→④介護保険法の制定と改正

歴史の勉強の仕方についての記事はこちら
→歴史の勉強の仕方

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今回のテーマは老人医療費無料化と老人保健法

高齢者福祉の歴史、第2回は老人医療費無料化と老人保健法です。1973年の福祉元年から、老人保健法が制定される1982年までを確認します。この時代の中心は、1973年の老人医療費支給制度と、1982年の老人保健法です。

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1973年、老人医療費が無料になる

1973年(昭和48年)、老人福祉法が改正され、70歳以上の高齢者を対象に医療費の自己負担分を公費で支給する老人医療費支給制度が始まりました。高度経済成長で税収が伸びていたことが、この拡充の背景にあります。

あわせて、高額療養費制度の創設と、年金の物価スライド制の導入も行われています。この3つがまとまって実施された1973年は「福祉元年」と呼ばれています。

福祉元年についての記事はこちら
→日本の福祉の歴史④|福祉三法から福祉元年・オイルショックまで

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同じ年に、オイルショックが起きる

「福祉元年」と同じ1973年、第一次オイルショックが起きました。1979年には第二次オイルショックが続きます。高度経済成長が終わり、税収の伸びは止まりました。老人医療費無料化によって高齢者の受診が増えたことも重なり、老人医療費は増大しました。

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1982年、老人保健法が制定される

1982年(昭和57年)、老人保健法が制定されました。これによって老人医療費無料化は廃止され、70歳以上の高齢者にも、外来1か月400円・入院1日300円(当時)という定額の自己負担が導入されました。

また、老人福祉法(1963年)で規定されていた老人健康診査事業は、この老人保健法に移されました。老人保健法の保健事業は、40歳以上を対象として導入されました。

老人保健法についての記事はこちら
→社会保障の歴史③福祉元年から見直しの時代へ|老人保健法と基礎年金

国家試験では、次のように出題されました。
○「老人医療費支給制度による老人医療費の急増等に対応するため,1980年代に老人保健法が制定された。」(第35回問題127)
×「1982年(昭和57年)の老人保健法では,70歳以上の高齢者にかかる医療費のうち,その自己負担分を無料化する老人医療費支給制度が規定された。」(第36回問題127)→老人医療費支給制度は、1972年の老人福祉法改正で規定され、1973年に施行されました。1982年の老人保健法は、老人医療に一部負担を導入しました。

すっきり整理 老人医療費無料化から老人保健法までの年表

年できごと
1973年福祉元年(老人医療費支給制度・高額療養費制度・年金物価スライド制)
1973年第一次オイルショック
1979年第二次オイルショック
1982年老人保健法 制定(老人医療費無料化を廃止し定額の自己負担を導入、健康診査事業を移管)
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次回はゴールドプランと福祉八法改正です

次回は、1989年のゴールドプランから、福祉八法改正、1999年のゴールドプラン21までを確認します。
→高齢者福祉の歴史③|ゴールドプランと福祉八法改正をわかりやすく解説

高齢者福祉の一問一答についての記事はこちら
→高齢者福祉の一問一答(30問)|地域支援事業・歴史・老人福祉法と虐待防止

ほかの分野の歴史の記事はこちら
→歴史の記事マップ

過去問を解いてみましょう

第35回問題127

日本の高齢者保健福祉施策の変遷に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 老人医療費支給制度による老人医療費の急増等に対応するため,1980 年代に老人保健法が制定された。
2 人口の高齢化率が 7 %を超える状況を迎えた 1990 年代に高齢社会対策基本法が制定され,政府内に厚生労働大臣を会長とする高齢社会対策会議が設置された。
3 認知症高齢者の急増に対応してオレンジプラン(認知症施策推進 5 か年計画)が 1990 年代に策定され,その計画推進を目的の一つとして介護保険法が制定された。
4 住まいと介護の双方のニーズを有する高齢者の増加に対応するため,2000 年代の老人福祉法の改正によって軽費老人ホームが創設された。
5 高齢者の医療の確保に関する法律による第 3 期医療費適正化計画では,2010 年代から 2020 年代の取組の一つとして,寝たきり老人ゼロ作戦が初めて示された。

解説

1→○ 老人医療費支給制度(1973年施行)により老人医療費が急増したことなどに対応するため、1982年に老人保健法が制定されました。
2→× 高齢化率が7%を超えたのは1970年です。高齢社会対策基本法は1995年に制定され、高齢社会対策会議の会長は内閣総理大臣です。
3→× オレンジプランが策定されたのは2012年です。介護保険法は1997年に制定されています。
4→× 軽費老人ホームは、1963年の老人福祉法制定時から規定されています。
5→× 寝たきり老人ゼロ作戦は、1989年のゴールドプランで示されました。

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第36回問題127

第二次世界大戦後の日本における高齢者保健福祉制度の展開過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 1950 年(昭和 25 年)の生活保護法では,常時介護を必要とする老人の家庭を訪問する老人家庭奉仕員が規定された。
2 1963 年(昭和 38 年)の老人福祉法では,養護老人ホーム,特別養護老人ホーム,軽費老人ホームを含む,老人福祉施設が規定された。
3 1982 年(昭和 57 年)の老人保健法では,70 歳以上の高齢者にかかる医療費のうち,その自己負担分を無料化する老人医療費支給制度が規定された。
4 1997 年(平成 9 年)の介護保険法では,要介護認定を受け,要介護と判定された高齢者等は,原則 3 割の利用者負担で,介護サービスを利用できることが規定された。
5 2000 年(平成 12 年)の社会福祉法の改正では,高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)が策定されたことを受け,地域包括ケアシステムが規定された。

解説

1→× 老人家庭奉仕員は、1963年の老人福祉法で規定されました。
2→○ 1963年の老人福祉法は、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センターを老人福祉施設として規定しました。
3→× 老人医療費支給制度は、1972年の老人福祉法改正で規定され、1973年に施行されました。1982年の老人保健法は、老人医療に一部負担を導入しました。
4→× 介護保険法が規定した利用者負担は、原則1割です。
5→× ゴールドプランの策定は1989年です。地域包括ケアシステムの推進は、2011年の介護保険法改正で国と地方公共団体の責務として規定されました。

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