里親と養子縁組の違い|法律上の親子になるかどうかと特別養子縁組の要件

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児童・家庭福祉

里親と養子縁組の違いは、法律上の親子になるかどうか

里親と養子縁組の最大の違いは、法律上の親子関係が生じるかどうかです。里親は児童福祉法に基づく制度で、要保護児童を家庭で養育します。養子縁組は民法に基づく制度で、養親と養子の間に法律上の親子関係をつくります。

両者が混同されやすいのは、里親の4種類のうち養子縁組里親が、養子縁組を前提にした里親だからです。

里親制度の仕組み

里親は、児童福祉法に基づく制度です。里親になるには、都道府県知事の認定を受けます。児童を里親に委託するのは都道府県(児童相談所)で、児童福祉法に基づく措置として行われます。

里親は、次の4種類に分かれます。
①養育里親は、養子縁組を目的とせず、要保護児童を一定期間預かって養育します。実親のもとへ家庭復帰できるまで養育するのが原則です。
②専門里親は、虐待を受けた児童、非行等の問題がある児童、障害のある児童など、都道府県知事が特に支援が必要と認めた児童を養育します。
③養子縁組里親は、養子縁組によって養親となることを希望し、児童を養育します。
④親族里親は、児童の扶養義務者およびその配偶者である親族が、児童の養育を担います。

里親の種類、研修、認定についての記事はこちらです。
→里親の種類をわかりやすく解説|里親研修と認定・特別養子縁組制度についても

里親と、ファミリーホームや施設との関係についての記事はこちらです。
→社会的養護とは|5つの施設と里親・ファミリーホームの違いを整理

養子縁組の仕組み

民法の養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。どちらも、養子と養親の間に法律上の親子関係が生じます。違いは、実親との関係と、成立のしかたです。

普通養子縁組は、養親と養子の合意と届出によって成立します。養子と実親との親族関係は、縁組をしても続きます。

特別養子縁組は、家庭裁判所の審判によって成立します。成立すると、養子と実親との親族関係が終了します。主な要件は次のとおりです。
〇養親は、配偶者のある者で、夫婦が共同して縁組をします。
〇養親は原則25歳以上です。夫婦の一方が25歳以上であれば、もう一方は20歳以上です。
〇養子は、原則として15歳未満です。15歳になる前から養親となる者に養育されていた場合は、18歳未満まで可能です。
〇養子となる者が15歳以上の場合は、本人の同意が必要です。
〇実親の同意が原則として必要です。ただし、実親が意思を表示できない場合や、虐待、悪意の遺棄など養子の利益を著しく害する事由がある場合は、同意は不要です。
〇養親となる者が養子となる者を6か月以上監護した状況を考慮して、家庭裁判所が判断します。

養子の年齢は、2019年(令和元年)の民法改正(2020年4月施行)で、原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げられました。この改正で、手続も2段階になりました。第1段階で家庭裁判所が特別養子適格の確認の審判を行い、第2段階で縁組成立の審判を行います。児童相談所長は、第1段階の審判を申し立てることができます。

特別養子縁組の離縁は、養子の利益のために特に必要がある場合に限られます。離縁を家庭裁判所に請求できるのは、養子、実父母、検察官です。養親から離縁を請求することはできません。

普通養子と特別養子の違いについての記事はこちらです。
→普通養子と特別養子のタップ式比較表と一問一答|成立・実親との関係・年齢・離縁

養子縁組里親と特別養子縁組の関係

養子縁組里親は、特別養子縁組で養親となることを前提に、児童を養育する里親です。児童が養子縁組里親に委託された時点では、法律上の親子ではありません。家庭裁判所の審判で特別養子縁組が成立した時点で、法律上の親子になります。

委託後の養育は、家庭裁判所が縁組を成立させるかどうかを判断するときに考慮する、6か月以上の監護の状況になります。縁組が成立すると、児童福祉法に基づく里親委託は終わり、養親と養子の家庭になります。

養育里親、専門里親、親族里親に委託された児童は、委託が続いても、法律上の親子にはなりません。

過去問を解いてみましょう

第27回問題138

社会的養護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は、児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う事業である。
2 民法上の扶養義務を有する親族は、里親になることはできない。
3 市町村に設置される要保護児童対策地域協議会は、主として児童及びその家族について必要な調査及び指導を行う。
4 児童発達支援センターは、虐待を受けた児童などを入所させる施設である。
5 児童養護施設は、保護者のいる児童を入所させることはできない。

解説

1→○ 記述のとおりです。養育者の家庭に迎え入れる形なので、家庭養護にあたります。
2→× 親族里親があります。
3→× 要保護児童対策地域協議会は、情報の交換と支援内容の協議を行います。調査及び指導を行う機関ではありません。
4→× 児童発達支援センターは通所の施設です。
5→× 保護者に監護させることが不適当な児童も対象になるため、保護者のいる児童も入所します。

第35回問題141

特別養子縁組の制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 配偶者のない者でも養親となることができる。
2 養子となることができる子の年齢上限は、6歳である。
3 養親には離縁請求権はない。
4 特別養子縁組の成立には、実親の同意は原則として必要ではない。
5 特別養子縁組は、都道府県が養親となる者の請求により成立させることができる。

解説

1→× 養親は配偶者のある者に限られ、夫婦が共同で縁組をします。
2→× 2019年の民法改正(2020年4月施行)により、原則15歳未満に引き上げられました。
3→○ 離縁を請求できるのは養子、実父母、検察官であり、養親は含まれません。
4→× 実親の同意は原則として必要です。
5→× 家庭裁判所の審判によって成立します。

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