児童福祉法と子どもの権利
1 児童福祉法の対象となるのは、要保護児童や要支援児童に限られるか。
すべての児童が対象。児童福祉法第1条の主語は「すべて児童は」となっています。要保護児童は保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当と認められる児童、要支援児童は保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童であり、確かに児童福祉法の対象であるが、それらに限定されているわけではない。
2 児童福祉法は、国民にどのような義務を定めているか。
以下のような努力義務を定めています。すべての国民は、児童が良好な環境のなかで生まれ、年齢と発達の程度に応じてその意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない、と定めています。保護者が第一義的責任を負い、国と地方公共団体が保護者とともに児童を育成する責任を負います。
3 児童の権利に関する条約が強調しているのは、子どものどのような権利か。
自分に関することについて意見を表明する権利です。それまでの宣言が、保護される子どもという受け身の立場を中心にしていたのに対し、この条約は子どもを権利の主体として位置づけ、意見表明権を定めました。子どもの最善の利益を第一に考えることも柱になっています。
4 日本が児童の権利に関する条約を批准したのは何年か。
1994年(平成6年)です。国際連合が採択したのは1989年、発効は1990年です。
5 ジュネーブ宣言は、第二次世界大戦の反省に基づいて作成されたものか。
ジュネーブ宣言は1924年に国際連盟が採択したもので、第一次世界大戦の反省に基づいています。第二次世界大戦の後に出されたのは、1948年の世界人権宣言や1959年の児童権利宣言です。
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家庭養育と里親
6 里親の種類を4つあげよ。
養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親です。専門里親は、虐待を受けた児童や非行のある児童、障害のある児童を養育します。
7 里親の認定は誰が行うか。
都道府県知事です。児童福祉審議会の意見を聴いて認定し、名簿に登録します。養育里親と専門里親は研修の修了が要件で、登録の有効期間は養育里親が5年、専門里親が2年です。
8 特別養子縁組は、子どもが何歳になるまで申し立てられるか。
原則として15歳未満です。2020年(令和2年)4月から、6歳未満から15歳未満に引き上げられました。15歳に達する前から養親となる者が監護していた場合など、例外もあります。
9 普通養子縁組と特別養子縁組のうち、独身の人でも養親になれるのはどちらか。
普通養子縁組です。特別養子縁組の養親は夫婦でなければならず、原則として25歳以上であることが必要です(夫婦の一方が25歳以上であれば、他方は20歳以上で足ります)。
10 ファミリーホームと里親は何が違うか。
ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)は、第二種社会福祉事業として行われる事業で、定員は5人または6人です。養育者とその補助者が養育にあたります。里親は個人が自分の家庭で子どもを預かる仕組みで、委託できるのは4人までです。
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第三者評価と要保護児童対策地域協議会
11 児童分野で、福祉サービスの第三者評価の受審が義務づけられているのはどこか。
社会的養護関係施設と一時保護所です。社会的養護関係施設は、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設の5つで、3年に1回以上受審し、結果を公表します。一時保護所は、2022年の児童福祉法改正を受けて一時保護施設の設備及び運営に関する基準が定められ、2024年4月から、自己評価と第三者評価を受けて結果を公表することが義務づけられました。これ以外の福祉サービスの第三者評価は任意です。
12 要保護児童対策地域協議会はどこに設置されるか、また、設置は義務か努力義務か。
児童福祉法では、地方公共団体に置くように努めなければならないと定めており、努力義務です。
13 要保護児童対策地域協議会の調整担当者には、どのような人がなれるか。
調整機関に置かれる調整担当者には、児童福祉司となる資格を有する者のほか、保健師、助産師、看護師、保育士、教員、児童指導員などが想定されています。市町村の調整機関には、専門職の調整担当者を置くことが義務づけられています。
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障害のある児童
14 障害のある児童は、障害者総合支援法の居宅介護を利用できるか。
利用できます。居宅介護のほか、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援は障害児も対象です。支給決定を行うのは市町村です。療養介護、生活介護、施設入所支援などは18歳以上が対象です。
15 障害児の通所支援を4つあげよ。また、その支給決定を行うのはどこか。
児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援の4つです。支給決定を行うのは市町村です。2024年(令和6年)4月から、医療型児童発達支援は児童発達支援に一元化されました。
16 障害児入所支援の利用を決定するのはどこか。
都道府県です。児童相談所が窓口になります。通所支援は市町村、入所支援は都道府県という違いがあります。障害児入所施設には、福祉型と医療型があります。
17 自立支援医療の3つの種類をあげ、そのうち児童が利用するものと、それぞれの支給決定を行う主体を答えよ。
更生医療、育成医療、精神通院医療の3つです。児童が対象になるのは育成医療で、18歳未満の障害児が対象です。精神通院医療には年齢の制限がないため、児童も利用できます。更生医療は18歳以上の身体障害者が対象です。支給決定は、更生医療と育成医療が市町村、精神通院医療が都道府県(指定都市)です。
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虐待とDV
18 児童虐待防止法の接近禁止命令は誰が出すか。DV防止法の接近禁止命令は誰が出すか。
児童虐待防止法の接近禁止命令は、都道府県知事または児童相談所長が出します。DV防止法の保護命令(接近禁止命令)は、地方裁判所が出します。
19 児童虐待を発見した場合の通告先はどこか。DVを発見した場合の通報先はどこか。
児童虐待は、市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所のいずれかに通告します。児童委員を介して通告することもできます。DVは、配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報します。
児童虐待防止法の通告義務と接近禁止命令についての記事はこちら
→児童虐待防止法の通告義務と4類型|通告先と接近禁止命令を整理
DV防止法についての記事はこちら
→DV防止法とは|配偶者暴力相談支援センターを整理・保護命令は地方裁判所
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児童福祉司と訪問事業
20 児童福祉司になることができるのは、どのような人か。
都道府県知事の補助機関である職員で、次のいずれかにあたる人です。医師、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事し講習会の課程を修了した者などです。
21 児童福祉司の任用資格に近年加えられた2つの国家資格は何か。
精神保健福祉士と公認心理師です。2022年(令和4年)の児童福祉法改正で加えられました。
22 乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、新生児訪問指導、未熟児訪問指導は、それぞれ何法に基づき、どこが実施するか。
乳児家庭全戸訪問事業と養育支援訪問事業は児童福祉法に基づき、市町村が実施します。新生児訪問指導と未熟児訪問指導は母子保健法に基づき、市町村が実施します。
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相談の窓口と地域の事業
23 こども家庭センターは、どのような背景で、いつできたものか。
母子保健の相談を受ける子育て世代包括支援センターと、児童福祉の相談を受ける子ども家庭総合支援拠点が別々に置かれ、妊娠期から子育て期までの情報が分断されていたことが背景です。2022年(令和4年)の児童福祉法改正で、この2つを見直して一体的に相談支援を行う機関として定められ、2024年(令和6年)4月から始まりました。市町村が設置に努めるものとされています。
24 児童家庭支援センターは、どのような位置づけで、何法に定められているか。
児童福祉法に定められた児童福祉施設です。地域の児童や家庭からの相談に応じるほか、児童相談所から委託を受けた児童やその保護者への指導、里親やファミリーホームへの支援を行います。多くは児童養護施設や乳児院に併設されています。
25 ファミリー・サポート・センターは、どのようなことを行っているか。
子育ての援助を受けたい人と、援助を行いたい人を会員として登録し、両者の間の調整を行います。保育所への送迎、保育所の開始前や終了後の預かり、学校の放課後の預かりなどを、会員同士の相互援助活動として行います。児童福祉法に基づく子育て援助活動支援事業で、市町村が実施します。
26 自立援助ホームは何法に基づき、どのような支援を行うか。
児童福祉法に基づく児童自立生活援助事業です。義務教育を終えた後、児童養護施設や里親のもとを離れた人などが共同生活を送る住居で、相談、日常生活の支援、就労の支援を行います。2022年(令和4年)の改正で年齢による一律の上限がなくなり、都道府県知事が認める時点まで利用できるようになりました。
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→こども家庭センターとは|児童家庭支援センター・児童相談所との違いを整理
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次世代育成支援対策推進法
27 次世代育成支援対策推進法に基づく市町村行動計画と都道府県行動計画の策定は、義務か、努力義務か、任意か。
任意です。法律の施行当初は義務でしたが、2014年(平成26年)の改正により、2015年(平成27年)度から任意になりました。
28 次世代育成支援対策推進法で策定が義務づけられている行動計画は何か。
一般事業主行動計画と特定事業主行動計画です。一般事業主行動計画は常時雇用する労働者が101人以上の事業主に義務づけられ、100人以下は努力義務です。特定事業主行動計画は、国や地方公共団体の機関に義務づけられています。
一時保護
29 一時保護は、原則として何か月まで行うことができるか。
2か月です。
30 親権者等の同意を得られないまま一時保護を行う場合には、どのような手続が必要か。
児童相談所長等が裁判官に一時保護状を請求し、裁判官の審査を受けます。請求は、一時保護を行う前でも、一時保護を開始した日から7日以内でもよいとされています。急いで子どもを保護する必要がある場合に、先に保護してから請求できるようにするためです。2022年(令和4年)の児童福祉法改正で導入され、2024年(令和6年)6月1日から始まりました。
31 一時保護を2か月を超えて続ける場合に、家庭裁判所の承認が必要になるのはどのような場合か。
親権者または未成年後見人の意に反して、引き続き一時保護を行う場合です。この場合、児童相談所長または都道府県知事が家庭裁判所の承認を得る必要があります。
一時保護についての記事はこちら
児童・家庭福祉の一問一答はこちらにもあります
→児童・家庭福祉の一問一答(30問)|児童福祉法・一時保護・児童虐待防止法
社会的養護と社会手当の一問一答はこちら
→児童・家庭福祉の一問一答(30問)|社会的養護・社会手当・ひとり親世帯
都道府県と市町村の役割を一覧表で確認する記事はこちら


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