親族の範囲と親等
1 民法上の親族は、六親等内の血族、配偶者及び六親等内の姻族である。
× 姻族は三親等内までです。民法は、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族を親族と定めています(第725条)。
2 配偶者は、一親等の姻族として親族に含まれる。
× 配偶者は血族でも姻族でもなく、親等もありません。第725条は、血族・姻族とは別に、配偶者そのものを親族として定めています。
3 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
○ 民法第877条第1項が定める扶養義務です。父母、子、祖父母、孫、兄弟姉妹は、家庭裁判所の審判がなくても扶養義務者になります。
4 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、四親等内の親族にも扶養の義務を負わせることができる。
× 家庭裁判所が扶養義務を負わせることができるのは、三親等内の親族です(第877条第2項)。四親等のいとこは含まれません。
5 本人の父母は、二親等の直系血族である。
× 一親等の直系血族です。直系は世代を一つずつ数えるので、父母は一親等、祖父母は二親等です。
6 兄弟姉妹は、本人から世代を一つずつ数えて二親等の直系血族となる。
× 傍系血族です。傍系は共通の祖先までさかのぼってから数えます。本人→父母(1)→兄弟姉妹(2)で二親等です。
7 本人のおじ・おばは、二親等の傍系血族である。
× 三親等の傍系血族です。本人→父母(1)→祖父母(2)→おじ・おば(3)と数えます。
8 本人の甥・姪は、三親等の傍系血族である。
○ 本人→父母(1)→兄弟姉妹(2)→甥・姪(3)と数えます。おじ・おばと同じ三親等です。
9 本人のいとこは、三親等の傍系血族である。
× 四親等の傍系血族です。おじ・おば(3)の子なので、もう一つ下がって四親等です。六親等内の血族なので、親族にあたります。
10 いとこの配偶者は、四親等の姻族として民法上の親族に含まれる。
× 血族の配偶者は、その血族と同じ親等の姻族になります。いとこの配偶者は四親等の姻族で、三親等を超えるため親族にあたりません。第32回問題77で出題されています。
11 配偶者のいとこは、四親等の姻族として民法上の親族に含まれる。
× 配偶者の血族は、配偶者を本人と同じ位置に置いて数えます。配偶者のいとこは四親等の姻族で、親族にあたりません。本人のいとこは親族、配偶者のいとこは親族ではない、と答えが分かれます。
12 配偶者の父母は、一親等の姻族である。
○ 配偶者から見て父母は一親等なので、本人から見て一親等の姻族です。
13 本人と養子縁組をしていない配偶者の子は、本人の一親等の姻族である。
○ いわゆる連れ子です。本人と血のつながりがないので血族ではなく、配偶者の血族として一親等の姻族になります。
14 本人が配偶者の子と養子縁組をしても、その子は本人の一親等の姻族のままである。
× 養子と養親との間には、縁組の日から血族と同じ親族関係が生じます(第727条)。連れ子は一親等の血族(法定血族)になります。
15 本人の子の配偶者は、二親等の姻族である。
× 一親等の姻族です。子が一親等なので、子の配偶者も一親等です。子が実子でも養子でも変わりません。
16 本人の甥の配偶者は、三親等の姻族である。
○ 甥が三親等の血族なので、その配偶者は三親等の姻族です。三親等内なので親族にあたります。第37回問題37で出題されています。
生活保護の申請
17 保護の申請をすることができるのは、要保護者本人に限られる。
× 要保護者、その扶養義務者、その他の同居の親族が申請できます(生活保護法第7条)。
18 要保護者と別居している兄弟姉妹は、保護の申請をすることができる。
○ 兄弟姉妹は民法上の扶養義務者です。扶養義務者は、同居していなくても申請できます。
19 要保護者と別居している父母は、保護の申請をすることができない。
× 父母は直系血族であり、扶養義務者として申請できます。別居していても変わりません。
20 要保護者のおじ・おばは、要保護者と同居していれば、保護の申請をすることができる。
○ おじ・おばから見て甥・姪は三親等の血族で、親族にあたります。同居していれば「その他の同居の親族」として申請できます。
21 要保護者のおじ・おばは、別居していても、三親等内の親族であるため保護の申請をすることができる。
× おじ・おばは直系血族でも兄弟姉妹でもないので、家庭裁判所が扶養義務を負わせていない限り扶養義務者にあたりません。別居していれば同居の親族でもないため、申請できる者に含まれません。
22 要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。
○ 生活保護法第7条ただし書の定めです。保護は申請に基づいて開始するのが原則(申請保護の原則)ですが、急迫した状況にあるときは、保護の実施機関が職権で保護を行います。
健康保険の被扶養者
23 被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹は、被保険者と同一の世帯に属していなければ、被扶養者になることができない。
× この範囲の親族は、同居していなくても、主として被保険者により生計を維持されていれば被扶養者になります(健康保険法第3条第7項)。同居が必要なのは、これ以外の三親等内の親族です。
24 被保険者と別居している子は、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
○ 子は同居が要件とされていない範囲に入ります。仕送りで生活している大学生の子などがこれにあたります。
25 被保険者と別居している祖父母は、被扶養者になることができない。
× 祖父母は直系尊属です。父母と同じく、同居していなくても、生計維持の要件を満たせば被扶養者になります。
26 被保険者の兄や姉は、被保険者と同一の世帯に属していなければ、被扶養者になることができない。
× 以前は兄・姉には同居が必要でしたが、2016年10月から弟・妹と同じく同居が不要になりました。
27 被保険者と別居している兄の配偶者は、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
× 兄弟姉妹の配偶者は二親等の姻族で、同居が不要な範囲に入りません。三親等内の親族として、被保険者と同一の世帯に属していることが必要です。
28 被保険者と同居している甥は、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
○ 甥は三親等の血族です。同居していれば、三親等内の親族として被扶養者になります。
29 被保険者と別居している甥は、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
× 甥が被扶養者になるには、被保険者と同一の世帯に属していることが必要です。別居していると、生計を維持していても被扶養者になりません。
30 被保険者と同居している配偶者の父母は、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
○ 配偶者の父母は一親等の姻族です。三親等内の親族として、同居と生計維持の要件を満たせば被扶養者になります。
31 被保険者と同居しているいとこは、主として被保険者により生計を維持されていれば、被扶養者になることができる。
× いとこは四親等の血族で、三親等内の親族にあたりません。同居して生計を維持していても、被扶養者になりません。
成年後見の申立て
32 後見開始の審判を請求することができる親族は、三親等内の親族に限られる。
× 四親等内の親族です(民法第7条)。家庭裁判所が扶養義務を負わせることができる範囲(三親等内)と数字が違います。
33 本人のいとこは、後見開始の審判を請求することができる。
○ いとこは四親等の血族で、四親等内の親族にあたります。
34 本人の配偶者のいとこは、四親等にあたるため、後見開始の審判を請求することができる。
× 配偶者のいとこは四親等の姻族です。親族となる姻族は三親等内に限られるので、そもそも親族にあたらず、請求できません。本人のいとこは請求できるのに、配偶者のいとこは請求できない、と答えが分かれます。
35 本人の甥の配偶者は、後見開始の審判を請求することができる。
○ 甥の配偶者は三親等の姻族です。親族にあたり、四親等内なので請求できます。
婚姻・親子・養子・親権の一問一答はこちらです。
→権利擁護を支える法制度の一問一答|婚姻・親子・養子・親権
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