公的保険と民間保険の違い
同じ保険という名前がついていても、公的保険と民間保険では仕組みが違います。
公的保険は、法律で定められた要件に当てはまる人が全員加入します(強制加入)。加入するかどうかを本人が選ぶことはできませんし、自らの意思で脱退することもできません。
民間保険は、加入するかどうかを本人が決めます。生命保険や自動車保険がこれにあたります。
給付・反対給付均等の原則
民間保険には、給付・反対給付均等の原則があります。納める保険料が、受け取る保険金の期待値に等しくなるという考え方です。レクシスの原則とも呼ばれます。
民間の医療保険では、加入時の年齢や健康状態によって保険料が変わります。病気になる可能性が高い人ほど、高い保険料を納めます。保険料が個人のリスクに見合う形で決まるということです。
公的保険における健康保険の保険料は、賃金に応じて決定します。リスクの大きさ(持病の有無、既往歴、入院歴)等は保険料の決定に影響を与えません。
この違いがあるからこそ、公的保険では所得再分配という役割を果たすことになります。
所得再分配についての記事はこちらです。
→社会保障の機能と所得再分配|垂直的再分配と水平的再分配の違い
公費が入るかどうか
公的保険の財源は保険料だけではありません。国庫負担や国庫補助という形で、公費が投入されています。国民健康保険は給付費等の約5割が公費で賄われていますし、基礎年金の給付費も2分の1が国庫負担です。
民間保険に公費は入りません。契約者が納めた保険料と、それを運用した収益が財源です。
国庫負担についての記事はこちらです。
→社会保障の国庫負担を割合ごとに整理|生活保護・年金・介護保険・医療保険・社会手当
過去問を確認しましょう
第35回問題50
日本の社会保険に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 国民健康保険は、保険料を支払わないことで自由に脱退できる。
2 健康保険の給付費に対する国庫補助はない。
3 雇用保険の被保険者に、国籍の要件は設けられていない。
4 民間保険の原理の一つである給付・反対給付均等の原則は、社会保険においても必ず成立する。
5 介護保険の保険者は国である。
解説
正答は3です。
1→× 公的保険は強制加入ですので、保険料を支払わないことで脱退することはできません。
2→× 協会けんぽには給付費に対する国庫補助があります。
3→○ 記述のとおりです。国籍を問わず、要件を満たせば被保険者になります。
4→× 社会保険では、保険料が所得や賃金に応じて決まるため、この原則は必ずしも成立しません。
5→× 介護保険の保険者は市町村および特別区です。


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