生活保護を受けている者の被保険者資格
生活保護を受けている者が介護保険に加入するかどうかは、年齢と医療保険に加入しているかどうかで以下のように分類できます。
〇65歳以上の者は、全員が第1号被保険者
→介護保険の第1号被保険者は医療保険に加入しているかどうかは問われず、65歳以上の住民全員が対象であるため)
〇40歳以上65歳未満の者は、医療保険に加入していれば第2号被保険者になり、加入していなければ被保険者対象外
→介護保険の第2号被保険者は「医療保険加入者」に限定されているため
生活保護を受けている世帯に属する者は、国民健康保険法第6条により国民健康保険の被保険者から除かれます。そのため、勤務先で健康保険などの被用者保険に加入して働いている者だけが医療保険加入者となり、第2号被保険者になります。詳細はこちらの記事でご確認ください。
→被保護者が医療保険に加入できる?国保との違いを過去問・演習問題で解説
65歳以上の被保護者の保険料と自己負担
65歳以上の被保護者は第1号被保険者ですので、市町村が保険料を賦課し、徴収します。保険料に充てる費用は、生活扶助の介護保険料加算として支給されます。年金が年額18万円以上ある場合は、保険料が年金から天引きされます(特別徴収)。
介護サービスを利用したときの自己負担分は、介護扶助から支給されます。費用の9割を介護保険が給付し、残りの1割を介護扶助が負担する形になります。
40歳以上65歳未満の被保護者の扱い
40歳以上65歳未満で医療保険に加入していない被保護者は、第2号被保険者の対象外です。被保険者ではありませんので介護保険料を負担することはなく、介護サービスの費用は全額が介護扶助から支給されます。
この者が利用したサービスの範囲や水準は介護保険の給付と同じで、要介護状態区分の判定も、市町村の介護認定審査会に依頼して介護保険の要介護認定と同じ方法で行います。
40歳以上65歳未満であっても、勤務先で健康保険などの被用者保険に加入している者は医療保険加入者ですので、第2号被保険者になります。この場合の保険料は、加入している医療保険の保険者が医療保険料に上乗せして徴収し、サービスを利用したときの自己負担分は介護扶助から支給されます。
介護扶助の範囲と方法
介護扶助は、要介護者・要支援者に対して次の費用を支給する扶助です。
・居宅介護(居宅介護支援計画に基づいて行うもの)
・福祉用具
・住宅改修
・施設介護
・介護予防(介護予防支援計画に基づいて行うもの)
・介護予防・日常生活支援
・移送
介護扶助は、生活保護法第34条の2により、原則として現物給付によって行われます。都道府県知事等が指定した指定介護機関がサービスを提供し、費用は福祉事務所から事業者に支払われます。介護保険法の指定を受けた事業者は、生活保護法の指定介護機関としても指定されたものとみなされます。
介護扶助から支給されるのは、サービスを利用したときの自己負担分と、医療保険に加入していない被保護者が利用したサービスの費用です。介護保険料は「サービスの対価」として発生するものではなく、サービスの利用の有無にかかわらず「保険料」として毎月徴収されるものですので、生活扶助の介護保険料加算から支払われます。
介護保険料加算についてはこちら
→介護保険料加算とは|生活扶助?介護扶助?|
介護保険の被保険者の区分についての記事はこちら
過去問を確認しましょう
第35回問題65
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 生業扶助には,高等学校等就学費が含まれる。
2 生活扶助は,衣食住その他日常生活の需要を満たすために必要なものを給付する。
3 教育扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
4 介護扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。
5 葬祭扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
解説
1→○ 高等学校等就学費は生業扶助から支給されます。
2→× 生活扶助が給付するのは、衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものです。住まいに必要な費用は住宅扶助から支給されます。
3→× 教育扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
4→× 介護扶助は、原則として現物給付によって行われます。
5→× 葬祭扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
第35回問題131
介護保険制度における第一号被保険者の介護保険料(以下「第一号保険料」という。)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 第一号保険料の額は,政令で定める基準に従い,各市町村が条例で定める保険料率に基づいて算定され,第一号被保険者に賦課される。
2 第一号保険料は,被保険者の前年の所得に応じて,原則として 3 段階を標準とした保険料率が定められている。
3 第一号保険料が特別徴収となるのは,公的年金の受給額が年額 120 万円以上の第一号被保険者である。
4 第一号被保険者が医療保険の被用者保険(健康保険など)の被保険者の場合,第一号保険料は医療保険者が医療保険料と一体的に徴収する。
5 第一号被保険者が被保護者(生活保護受給者)であって第一号保険料が普通徴収となる場合,その保険料は介護扶助として支給される。
解説
1→○ 第1号保険料の額は、政令で定める基準に従い、市町村が条例で定める保険料率に基づいて算定されます。
2→× 所得段階別の保険料率が定められていますが、標準の段階数は3段階ではありません。
3→× 特別徴収の対象となるのは、年金の額が年額18万円以上の者です。
4→× 第1号保険料を徴収するのは市町村です。医療保険料と一体的に徴収されるのは第2号保険料です。
5→× 普通徴収の場合の保険料は、生活扶助の介護保険料加算として支給されます。介護扶助から支給されるのは、サービスを利用したときの自己負担分です。
第36回問題65
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 生活扶助の第 1 類の経費は,世帯共通の費用とされている。
2 住宅扶助には,住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれる。
3 介護扶助には,介護保険の保険料が含まれる。
4 医療扶助によって,入院中の被保護者に対して入院患者日用品費が支給される。
5 出産扶助は,原則として現物給付によって行われる。
解説
1→× 第1類は個人ごとに算定する経費です。世帯共通の経費は第2類です。
2→○ 住宅扶助には、家賃・間代のほか、住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれます。
3→× 介護保険の保険料は介護扶助に含まれません。生活扶助の介護保険料加算として支給されます。
4→× 入院患者日用品費は生活扶助から支給されます。
5→× 出産扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
第37回問題97
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 小学生の学校給食費は,生活扶助で行われる。
2 要介護認定を受けた 80 歳の被保護者の住宅改修費のうち介護給付にかかる自己負担分は,介護扶助で行われる。
3 通院のための交通費(移送費)は,生活扶助で行われる。
4 高等学校の教材代や通学のための交通費は,教育扶助で行われる。
5 就職が確定した 40 歳の被保護者が,就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は,生活扶助で行われる。
解説
1→× 小学生の学校給食費は教育扶助から支給されます。
2→○ 住宅改修は介護扶助の範囲に含まれており、介護給付の自己負担分は介護扶助から支給されます。
3→× 通院のための移送費は医療扶助から支給されます。
4→× 高等学校の教材代や通学のための交通費は、生業扶助の高等学校等就学費から支給されます。
5→× 就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生業扶助の就職支度費から支給されます。
第38回問題30
社会保険の保険料に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 労働者災害補償保険の保険料は,特別加入者については全額が免除となる。
2 雇用保険の保険料率は,事業主の負担分の方が労働者の負担分よりも大きい。
3 生活保護受給者による介護保険の保険料負担分は,介護扶助に加算される。
4 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は全国一律に設定されている。
5 介護休業期間中は,厚生年金保険の保険料負担が労使ともに免除される。
解説
1→× 労働者災害補償保険の特別加入者は、保険料の全額を自分で負担します。
2→○ 雇用保険の保険料のうち、雇用保険二事業に充てる分は事業主だけが負担しますので、事業主の負担分が労働者の負担分より大きくなります。
3→× 生活保護受給者の介護保険料は、生活扶助の介護保険料加算として支給されます。介護扶助に加算されるのではありません。
4→× 協会けんぽの保険料率は、都道府県ごとに定められています。
5→× 保険料が免除されるのは育児休業等の期間中で、介護休業の期間中は免除されません。
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65歳以上の被保護者の保険料と自己負担
65歳以上の被保護者は第1号被保険者ですので、市町村が保険料を賦課し、徴収します。徴収の方法は特別徴収と普通徴収の二つです。特別徴収の対象者は、老齢・退職・障害・遺族の年金が年額18万円以上の者であり、年金から天引きします。普通徴収は、それ以外の者が市町村に直接納めます(納付書の送付・窓口での支払い等)。
普通徴収の対象になる者については、保険料に充てる費用が生活扶助の介護保険料加算として支給されます。特別徴収の対象になる者については加算を計上せず、年金から天引きされた保険料の額を差し引いて収入を認定します。どちらの方法でも、保険料を納めた分だけ最低生活費が確保される仕組みです。
介護サービスを利用したときの自己負担分は、介護扶助から支給されます。費用の9割を介護保険が給付し、残りの1割を介護扶助が負担する形になります。
40歳以上65歳未満の被保護者の扱い
40歳以上65歳未満で医療保険に加入していない被保護者は、第2号被保険者の対象外です。被保険者ではありませんので介護保険料を負担することはなく、介護サービスの費用は全額が介護扶助から支給されます。
この者が利用したサービスの範囲や水準は介護保険の給付と同じで、要介護状態区分の判定も、市町村の介護認定審査会に依頼して介護保険の要介護認定と同じ方法で行います。
40歳以上65歳未満であっても、勤務先で健康保険などの被用者保険に加入している者は医療保険加入者ですので、第2号被保険者になります。この場合の保険料は、加入している医療保険の保険者が医療保険料に上乗せして徴収し、サービスを利用したときの自己負担分は介護扶助から支給されます。
介護扶助の範囲と方法
介護扶助は、要介護者・要支援者に対して次の費用を支給する扶助です。
・居宅介護(居宅介護支援計画に基づいて行うもの)
・福祉用具
・住宅改修
・施設介護
・介護予防(介護予防支援計画に基づいて行うもの)
・介護予防・日常生活支援
・移送
介護扶助は、生活保護法第34条の2により、原則として現物給付によって行われます。都道府県知事等が指定した指定介護機関がサービスを提供し、費用は福祉事務所から事業者に支払われます。介護保険法の指定を受けた事業者は、生活保護法の指定介護機関としても指定されたものとみなされます。
介護保険の保険料は、介護扶助には含まれません。保険料は生活扶助の介護保険料加算として支給されるためです。介護扶助から支給されるのは、サービスを利用したときの自己負担分と、医療保険に加入していない被保護者が利用したサービスの費用です。
介護保険の被保険者の区分についての記事はこちら
過去問を確認しましょう
第35回問題65
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 生業扶助には,高等学校等就学費が含まれる。
2 生活扶助は,衣食住その他日常生活の需要を満たすために必要なものを給付する。
3 教育扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
4 介護扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。
5 葬祭扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
解説
1→○ 高等学校等就学費は生業扶助から支給されます。
2→× 生活扶助が給付するのは、衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものです。住まいに必要な費用は住宅扶助から支給されます。
3→× 教育扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
4→× 介護扶助は、原則として現物給付によって行われます。
5→× 葬祭扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
第35回問題131
介護保険制度における第一号被保険者の介護保険料(以下「第一号保険料」という。)に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 第一号保険料の額は,政令で定める基準に従い,各市町村が条例で定める保険料率に基づいて算定され,第一号被保険者に賦課される。
2 第一号保険料は,被保険者の前年の所得に応じて,原則として 3 段階を標準とした保険料率が定められている。
3 第一号保険料が特別徴収となるのは,公的年金の受給額が年額 120 万円以上の第一号被保険者である。
4 第一号被保険者が医療保険の被用者保険(健康保険など)の被保険者の場合,第一号保険料は医療保険者が医療保険料と一体的に徴収する。
5 第一号被保険者が被保護者(生活保護受給者)であって第一号保険料が普通徴収となる場合,その保険料は介護扶助として支給される。
解説
1→○ 第1号保険料の額は、政令で定める基準に従い、市町村が条例で定める保険料率に基づいて算定されます。
2→× 所得段階別の保険料率が定められていますが、標準の段階数は3段階ではありません。
3→× 特別徴収の対象となるのは、年金の額が年額18万円以上の者です。
4→× 第1号保険料を徴収するのは市町村です。医療保険料と一体的に徴収されるのは第2号保険料です。
5→× 普通徴収の場合の保険料は、生活扶助の介護保険料加算として支給されます。介護扶助から支給されるのは、サービスを利用したときの自己負担分です。
第36回問題65
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 生活扶助の第 1 類の経費は,世帯共通の費用とされている。
2 住宅扶助には,住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれる。
3 介護扶助には,介護保険の保険料が含まれる。
4 医療扶助によって,入院中の被保護者に対して入院患者日用品費が支給される。
5 出産扶助は,原則として現物給付によって行われる。
解説
1→× 第1類は個人ごとに算定する経費です。世帯共通の経費は第2類です。
2→○ 住宅扶助には、家賃・間代のほか、住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれます。
3→× 介護保険の保険料は介護扶助に含まれません。生活扶助の介護保険料加算として支給されます。
4→× 入院患者日用品費は生活扶助から支給されます。
5→× 出産扶助は、原則として金銭給付によって行われます。
第37回問題97
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 小学生の学校給食費は,生活扶助で行われる。
2 要介護認定を受けた 80 歳の被保護者の住宅改修費のうち介護給付にかかる自己負担分は,介護扶助で行われる。
3 通院のための交通費(移送費)は,生活扶助で行われる。
4 高等学校の教材代や通学のための交通費は,教育扶助で行われる。
5 就職が確定した 40 歳の被保護者が,就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は,生活扶助で行われる。
解説
1→× 小学生の学校給食費は教育扶助から支給されます。
2→○ 住宅改修は介護扶助の範囲に含まれており、介護給付の自己負担分は介護扶助から支給されます。
3→× 通院のための移送費は医療扶助から支給されます。
4→× 高等学校の教材代や通学のための交通費は、生業扶助の高等学校等就学費から支給されます。
5→× 就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生業扶助の就職支度費から支給されます。
第38回問題30
社会保険の保険料に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 労働者災害補償保険の保険料は,特別加入者については全額が免除となる。
2 雇用保険の保険料率は,事業主の負担分の方が労働者の負担分よりも大きい。
3 生活保護受給者による介護保険の保険料負担分は,介護扶助に加算される。
4 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は全国一律に設定されている。
5 介護休業期間中は,厚生年金保険の保険料負担が労使ともに免除される。
解説
1→× 労働者災害補償保険の特別加入者は、保険料の全額を自分で負担します。
2→○ 雇用保険の保険料のうち、雇用保険二事業に充てる分は事業主だけが負担しますので、事業主の負担分が労働者の負担分より大きくなります。
3→× 生活保護受給者の介護保険料は、生活扶助の介護保険料加算として支給されます。介護扶助に加算されるのではありません。
4→× 協会けんぽの保険料率は、都道府県ごとに定められています。
5→× 保険料が免除されるのは育児休業等の期間中で、介護休業の期間中は免除されません。
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