障害者総合支援法の改正経緯年表で整理|応能負担へ・発達障害者を対象者へ明記

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障害者総合支援法までの流れ

障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、2012年(平成24年)に障害者自立支援法を改正・改称してつくられた法律で、2013年(平成25年)4月に施行されました。

2005年(平成17年)から2024年(令和6年)までの流れは次のとおりです。

主な内容 2005年(平成17年) 障害者自立支援法が成立 3障害の制度を一元化 2010年(平成22年) 利用者負担を応能負担に 発達障害者を対象として明記 2012年(平成24年) 障害者総合支援法に改正・改称 難病等を対象に加える 2024年(令和6年) グループホームでの一人暮らしに向けた支援を明記 制度の内容をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

2005年 障害者自立支援法の成立

障害者自立支援法は2005年(平成17年)に成立し、2006年(平成18年)に施行されました。この法律は、それまで身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法に分かれていたサービスの仕組みを一元化し、身体障害、知的障害、精神障害の3障害に共通の自立支援給付の制度を設けました。

あわせてこの法律は、サービスの必要度をはかる障害程度区分を導入し、利用者負担を、使ったサービスの量に応じて負担する定率負担としました。定率負担では、障害が重く多くのサービスを必要とする者ほど負担額が大きくなりますので、必要な支援を受けるほど負担が増えるという批判がありました。

2010年 利用者負担の見直しと発達障害者の位置付け

2010年(平成22年)の改正では、上記の批判を受け、利用者負担が、支払能力に応じて負担する応能負担に改められました。

この改正では、発達障害者がこの法律の障害者に含まれることも明確にされました。このほか、相談支援体制を強化するため、基幹相談支援センターと自立支援協議会(現在の協議会)が法律に位置付けられ、同行援護が創設されました。

基幹相談支援センターについての記事はこちら

地域包括支援センターと基幹相談支援センターの違い|根拠法・設置義務

2012年 障害者総合支援法への改正

2012年(平成24年)に障害者自立支援法が改正され、題名が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に改められました。2013年(平成25年)4月の施行です。

この改正で、基本理念が置かれました。全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、社会参加の機会の確保、地域社会における共生、社会的障壁の除去に資するよう支援を総合的かつ計画的に行う、という内容です。

もう一つの変更点が、障害者の範囲です。身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む)に加えて、治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害がある者、いわゆる難病等が加えられました。難病等の者は、障害者手帳の有無は問われず、必要と認められればサービスを利用できます。

2022年の改正

2022年(令和4年)の改正では、共同生活援助(グループホーム)の支援内容に、一人暮らし等を希望する者に対する支援と、グループホームを退居した後の相談等の支援が加えられました。グループホームでの生活を続けることだけでなく、そこから次の生活に移ることも支援の内容として明記されたもので、2024年(令和6年)4月から施行されています。

あわせて就労選択支援が創設され、2025年(令和7年)10月から施行されています。就労を希望する者について、本人の希望や適性、就労後の配慮事項等を本人と一緒に整理し、その結果を踏まえて就労先や働き方を選べるようにするサービスです。
就労選択支援についての記事はこちら
就労選択支援とは(2025年10月施行)|対象者・B型・障害者総合支援法

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過去問を解いてみましょう

第38回 問題53

障害者に関する施策の展開について,次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 身体障害者福祉法が制定された際(1949 年(昭和 24 年))に,当該法による身体障害児を含む身体障害者に対する福祉サービスの提供が始まった。
2 身体障害者雇用促進法が「障害者雇用促進法」に改正,改称された際(1987 年(昭和 62 年))に,知的障害者が法定雇用率の算定基礎に追加された。
3 心身障害者対策基本法が障害者基本法に改正,改称された際(1993 年(平成 5 年))に,精神障害には発達障害が含まれることが明確にされた。
4 精神保健法が「精神保健福祉法」に改正,改称された際(1995 年(平成 7 年))に,精神障害者保健福祉手帳の制度が法定された。
5 障害者自立支援法が「障害者総合支援法」に改正,改称された際(2012 年(平成 24 年))に,身体,知的,精神の 3 障害に共通の自立支援給付の制度が創設された。

(注)1 「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
2 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
3 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解説

1 × 身体障害者福祉法の対象は18歳以上の身体障害者で、身体障害児は児童福祉法の対象です。
2 × 知的障害者が法定雇用率の算定基礎に加えられたのは1997年(平成9年)の改正です。1987年(昭和62年)の改正では、法律の対象が身体障害者から障害者全般に広げられました。
3 × 発達障害が精神障害に含まれることが明確にされたのは2011年(平成23年)の障害者基本法の改正です。
4 ○ 精神障害者保健福祉手帳は、1995年(平成7年)の精神保健福祉法への改正で法定されました。
5 × 3障害に共通の自立支援給付の制度が創設されたのは、2005年(平成17年)の障害者自立支援法です。2012年(平成24年)の改正では、題名の変更、基本理念の創設、障害者の範囲への難病等の追加が行われました。

第30回 問題57

障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童福祉施設入所中に18歳以上となる肢体不自由者が増加する問題に対応するため、身体障害者福祉法が制定された。
2 学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために無年金になった障害者を対象に、障害基礎年金制度が創設された。
3 支援費制度の実施により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入された。
4 障害者の権利に関する条約を批准するため、同条約の医学モデルの考え方を踏まえて、障害者基本法等の障害者の定義が見直された。
5 「障害者総合支援法」の施行により、同法による障害者の範囲に発達障害者が新たに含まれた。

解説

1 × 身体障害者福祉法は1949年(昭和24年)に制定された法律で、身体障害者の職業復帰を目的としていました。児童福祉施設に入所している18歳以上の者への対応のために制定されたのは、1960年(昭和35年)の精神薄弱者福祉法です。
2 × 無年金障害者を対象として設けられたのは、特定障害者に対する特別障害給付金です。障害基礎年金は1985年(昭和60年)の国民年金法の改正で設けられました。
3 ○ 2003年(平成15年)の支援費制度により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスに利用契約の仕組みが導入されました。障害児については居宅生活支援が対象で、障害児施設は措置のままとされ、契約制度に移ったのは2006年(平成18年)の児童福祉法改正のときです。
4 × 障害者の権利に関する条約が踏まえているのは社会モデルの考え方で、これに沿って障害者基本法等の定義が見直されました。
5 × 発達障害者が対象に含まれることが明確にされたのは2010年(平成22年)の障害者自立支援法の改正です。障害者総合支援法で新たに加えられたのは難病等です。

障害者総合支援法のサービスについての記事はこちら

介護給付のサービスと対象者|障害支援区分の認定プロセスを過去問で解説

就労移行支援・就労継続支援A型B型・就労定着支援の違い|暫定支給決定と障害支援区分

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