ソーシャルワークの出題傾向と勉強する順番|5回144問を出題基準の大項目で集計

第39回社会福祉士国家試験まで
あと―日
精神保健福祉士1日目まであと―日
科目別 出題傾向と勉強法シリーズ
スポンサーリンク

大項目ごとの出題数

ソーシャルワークに関する科目は以下の4つあります
「ソーシャルワークの基盤と専門職」
「ソーシャルワークの理論と方法」
「ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)」
「ソーシャルワークの理論と方法(専門)」の4科目です。
*精神保健福祉士の受験生が受けるのは、共通科目の2科目です。

第34回から第38回までの5回・144問が、出題基準のどの大項目から出題されたかを集計しました(第34回から第36回は、旧科目の「相談援助の基盤と専門職」(7問)と「相談援助の理論と方法」(21問))現行の出題基準の大項目に振り分けてカウントした結果は以下の通りです。

なお、第37回と第38回は、共通科目15問、専門科目15問の30問です。

ソーシャルワークの基盤と専門職(共通科目) 計22問 社会福祉士及び精神保健福祉士の法的な位置づけ 6問 名称独占と登録、任用資格、義務等、行政処分、法制定時の意見具申 ソーシャルワークの概念 3問 グローバル定義(2014年) ソーシャルワークの基盤となる考え方 5問 意思の尊重、自立生活運動、ヴォルフェンスベルガー、多文化ソーシャルワーク、自立支援 ソーシャルワークの形成過程 6問 エルバーフェルト制度、セツルメント、リッチモンド、ミルフォード会議、研究者と理論、バートレット ソーシャルワークの倫理 2問 倫理的ジレンマ、ドルゴフらの倫理原則 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。 ソーシャルワークの理論と方法(共通科目) 計67問 人と環境との交互作用に関する理論 9問 システム理論、ピンカスとミナハンの4つのシステム、家族システム、エコロジカル、ライフモデル ソーシャルワークの実践モデルとアプローチ 12問 治療・生活・ストレングスモデル、問題解決、行動変容、エンパワメント、解決志向、シュワルツ、スモーリー ソーシャルワークの過程 22問 インテーク、契約、プランニング、介入、モニタリング、再アセスメント、事後評価、終結、アフターケア ソーシャルワークの記録 7問 記録の文体、SOAP、記録の様式、エコマップ、実習記録の形式 ケアマネジメント 2問 意義と目的、再アセスメント 集団を活用した支援 9問 展開過程、グループの相互作用、波長合わせ、コノプカの原則、自助グループ、ボルクマン コミュニティワーク 1問 ロスマンのモデル スーパービジョンとコンサルテーション 5問 スーパービジョンの機能、パラレルプロセス、事例でのスーパービジョン 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。 ソーシャルワークの基盤と専門職(専門科目) 計17問 ソーシャルワークに係る専門職の概念と範囲 7問 専門職化(フレックスナー、グリーンウッド等)、認定社会福祉士、福祉事務所の所員、任用、バークレイ報告 ミクロ・メゾ・マクロレベルにおけるソーシャルワーク 4問 介入レベルの区別 総合的かつ包括的な支援と多職種連携の意義と内容 6問 多職種チーム、認知症初期集中支援チーム、アドボカシー、ジェネラリストソーシャルワーク 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。 ソーシャルワークの理論と方法(専門科目) 計32問 ソーシャルワークにおける援助関係の形成 15問 バイステックの原則、転移、パターナリズム、面接技法、面接の場面、アウトリーチ 社会資源の活用・調整・開発 3問 フォーマルとインフォーマル、ソーシャルアクション、患者のニーズへの対応 ネットワークの形成 2問 ソーシャルサポートネットワーク、ネットワークづくりでの役割 ソーシャルワークに関連する方法 1問 会議の進め方 カンファレンス 0問 出題なし 事例分析 4問 事例検討会の進め方、手段的事例と固有事例、事例分析の視点 総合的かつ包括的な支援の実際 7問 地域ケア会議、社会的排除、災害時の支援、多文化共生、複合的な課題を抱える家族、農福連携 過去問をもとに著者が作成したグラフです。無断転載・複製はご遠慮ください。

このほかの6問は、現行の出題基準では他科目に含まれる内容です。個人情報保護法、意思決定支援のガイドライン、特別調整、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、単一事例実験計画法が出題されました。

スポンサーリンク

勉強する順番

この集計をもとに、次の順番で勉強することをお勧めします。この順番は、出題された回数だけでなく、必要な知識を整理していく順番、効率の良さ、負担の分散などを考慮して検討しました。

①ソーシャルワークの過程(22問)

ケースの発見・インテーク・アセスメント・プランニング・支援の実施・モニタリング・終結・アフターケア

5回で22問出題され、大項目の中でいちばん多い分野です。毎回3〜6問出題されています。面接、記録、スーパービジョン等のキーワードに特に注意しましょう。

ソーシャルワークの過程についての記事はこちら
→ソーシャルワークの過程|ケースの発見からアフターケアまでの8段階

②人と環境の理論と、実践モデル・アプローチ(21問)

システム理論・ピンカスとミナハンの4つのシステム・エコロジカルアプローチ・治療モデルと生活モデル・各アプローチと提唱者

人と環境との交互作用に関する理論が9問、実践モデルとアプローチが12問で、5回すべてで出題されています。システム理論とエコロジカルアプローチは、生活モデルやジェネラリストの考え方のもとになる理論なので、先に読み、その後、アプローチを提唱者と一緒に整理します。

システム理論についての記事はこちら
→システム理論とは|開放システム・閉鎖システム・ホメオスタシスを整理

ピンカスとミナハンの4つのシステムについての記事はこちら
→ピンカスとミナハンの4つのシステム|覚え方はターゲットとチェンジエージェントの違いから

アプローチを読む順番と提唱者をまとめた記事はこちら
→ソーシャルワークのアプローチ 記事一覧|読む順番と提唱者

③ソーシャルワークの形成過程(6問)

COSとセツルメント・リッチモンド・ミルフォード会議・診断主義と機能主義・バートレット

②のアプローチの提唱者と同じ人物が登場します。パールマンの問題解決アプローチは、診断主義と機能主義の対立を背景に生まれました。②の直後に読むと、人物と時代を結びつけて覚えられます。

リッチモンドからケースワークの展開までの流れについての記事はこちら
→マイルズ「リッチモンドに帰れ」パールマン「ケースワークは死んだ」どういう意味?|流れで覚えるアメリカのケースワーク史

診断主義と機能主義についての記事はこちら
→診断主義と機能主義はなぜ対立した?|統合までの流れを年表で整理

④記録、集団を活用した支援、スーパービジョン(21問)

記録の文体・SOAP・エコマップ・グループワークの展開過程・波長合わせ・コノプカの原則・スーパービジョンの機能、記録が7問、集団を活用した支援が9問、スーパービジョンとコンサルテーションが5問です。

記録の文体についての記事はこちら
→ソーシャルワークの記録の文体|逐語体・過程叙述体・圧縮叙述体・説明体・要約体の違い

エコマップとジェノグラムについての記事はこちら
→エコマップとジェノグラム|ソシオグラムとの違い・ハートマンのマッピング技法

波長合わせについての記事はこちら
→波長合わせとは|グループワークの準備期・開始期を事例問題から整理

⑤法的な位置づけ、概念、基盤となる考え方、倫理(16問)

社会福祉士及び介護福祉士法・精神保健福祉士法・グローバル定義(2014年)・自立生活運動・倫理的ジレンマ

法的な位置づけが6問、概念が3問、基盤となる考え方が5問、倫理が2問です。社会福祉士及び介護福祉士法は第34回から第38回まで毎回出題され、第38回は2問でした。グローバル定義は第35回から第37回まで3回続けて出題されています。条文や定義の文言を覚える分野で、量は多くありません。グローバル定義の「エンパワメントと解放」はエンパワメントアプローチと同じ考え方なので、②を終えてから読むと文言の意味がつかめます。

グローバル定義についての記事はこちら
→ソーシャルワーク専門職のグローバル定義(2014年)|本文・注釈・2000年定義との違い

①から⑤までは共通科目の範囲で、社会福祉士と精神保健福祉士の両方の受験生が勉強します。⑥と⑦は社会福祉士の専門科目の範囲です。専門科目には事例問題が多く、共通科目の過程やアプローチの知識を事例に当てはめて答えます。共通科目を先に終えておくと、専門科目に入ったときに必要な知識がそろっています。

⑥援助関係の形成、面接技術、アウトリーチ(15問)

バイステックの7原則・転移と逆転移・面接技法(繰り返し・言い換え・要約・開かれた質問)・面接の場面・アウトリーチ

第34回から第36回は旧科目で毎回2〜6問出題され、現行の出題基準では専門科目の大項目になりました。第37回は3問、第38回は1問です。バイステックの原則は第34回と第37回、面接技法は第34回から第37回まで毎回出題されています。

⑦専門職の範囲、多職種連携、総合的かつ包括的な支援の実際(34問)

専門職化・認定社会福祉士・福祉事務所の所員・ミクロ・メゾ・マクロ・多職種チーム・ジェネラリストソーシャルワーク・事例分析・社会資源・ネットワーク・災害時の支援・多文化共生

専門科目の残りの大項目で、合わせて34問です。専門職の概念と範囲が7問、総合的かつ包括的な支援の実際が7問、総合的かつ包括的な支援と多職種連携が6問で、そのほかは0〜4問です(カンファレンスは出題なし)。総合的かつ包括的な支援の実際は、災害、外国人住民、農業の担い手不足など、地域の課題を題材にした事例問題として出題されています。

福祉事務所の所員についての記事はこちら
→福祉事務所の役割 社会福祉主事の役割 過去問はこれで全部解けます

児童福祉司・身体障害者福祉司・知的障害者福祉司についての記事はこちら
→児童福祉司・身体障害者福祉司・知的障害者福祉司|配置場所と任用資格の違いを整理

手段的事例と固有事例についての記事はこちら
→手段的事例と固有事例|見分け方・分かれるのは目的ではなく対象

DWAT(災害派遣福祉チーム)についての記事はこちら
→DWAT(災害派遣福祉チーム)とは|DMATとの違い・避難所での活動内容

多文化共生についての記事はこちら
→多文化共生|住まい・災害・やさしい日本語・多文化共生アドバイザー

ケアマネジメント(2問)とコミュニティワーク(1問)は、5回の出題が少ないため、①から⑦を終えてから確認してください。

ソーシャルワークの記事を出題基準の並びにまとめた記事マップはこちら
→ソーシャルワーク 記事マップ|基盤と専門職・理論と方法(共通・専門)旧:相談援助

以下はより細かな集計データです。勉強する順番と頻出分野を確認したい方はここまで読んでいただければ十分です。より細かなデータにご興味がある方は以下をご覧ください。

スポンサーリンク

分析のもととなるデータ

試験回ごとの大項目別出題数

第34回から第38回までの大項目別の出題数を、試験回ごとに並べた図です。第34回から第36回は28問、第37回と第38回は30問です。

大項目 34回 35回 36回 37回 38回 計 ■ 基盤と専門職(共通) 法的な位置づけ 1 1 1 1 2 6 概念 0 1 1 1 0 3 基盤となる考え方 0 1 1 1 2 5 形成過程 1 2 1 1 1 6 倫理 0 0 1 1 0 2 ■ 理論と方法(共通) 人と環境との交互作用に関する理論 2 2 1 0 4 9 実践モデルとアプローチ 1 2 5 2 2 12 過程 6 5 3 3 5 22 記録 1 2 2 0 2 7 ケアマネジメント 1 0 1 0 0 2 集団を活用した支援 2 2 2 2 1 9 コミュニティワーク 0 0 1 0 0 1 スーパービジョンとコンサルテーション 1 1 1 2 0 5 ■ 基盤と専門職(専門) 専門職の概念と範囲 1 1 0 4 1 7 ミクロ・メゾ・マクロ 1 0 1 1 1 4 総合的かつ包括的な支援と多職種連携 2 0 1 1 2 6 ■ 理論と方法(専門) 援助関係の形成 3 6 2 3 1 15 社会資源の活用・調整・開発 1 0 0 1 1 3 ネットワークの形成 0 1 0 0 1 2 関連する方法 0 0 0 1 0 1 カンファレンス 0 0 0 0 0 0 事例分析 1 0 1 2 0 4 総合的かつ包括的な支援の実際 1 1 1 2 2 7 ■ その他 現行の出題基準ではほかの科目 2 0 1 1 2 6 合計 28 28 28 30 30 144 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

ソーシャルワークの過程で問われた内容

ソーシャルワークの過程に振り分けた22問の一覧です。

試験回 問題 問われた内容 第34回 問題102 インテーク面接 問題103 事例:在宅療養を前にした母親への対応 問題104 介入(インターベンション) 問題105 フォローアップ 問題106 事例:児童養護施設の退所時の対応 問題118 事例:入院患者の生活相談 第35回 問題101 プランニング 問題102 モニタリング 問題103 終結 問題108 事例:若年性認知症の人の就労の相談 問題118 事例:夫から暴力を受けてきた入院患者への対応 第36回 問題103 プランニングの目標設定とクライエントの意欲 問題104 事例:在宅療養支援のモニタリング 問題105 アフターケア 第37回 問題73 事例:若年性認知症の人の職場への支援 問題74 事例:支援計画を立てる段階の援助 問題75 事後評価 第38回 問題70 事例:再アセスメント 問題73 事例:特別養護老人ホームでの支援 問題75 事例:結婚を考える二人への支援 問題78 事例:ケース会議での支援の見直し 問題115 契約 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

援助関係の形成で問われた内容

援助関係の形成(援助関係・面接・アウトリーチ)に振り分けた15問の一覧です。

試験回 問題 問われた内容 第34回 問題101 事例:夫を亡くした入所者への対応 問題108 面接技法 問題116 バイステックの援助関係の原則 第35回 問題104 援助関係(転移、統制された情緒的関与、パターナリズム) 問題105 事例:留学生への応答 問題106 事例:面接技法の組合せ 問題107 面接の場面(受理面接、生活場面面接、居宅) 問題109 アウトリーチ 問題117 事例:母親との面接 第36回 問題106 援助関係(共感的理解、受容、自己開示) 問題118 面接技術 第37回 問題115 バイステックの援助関係の原則 問題117 面接技法 問題123 事例:がんの再発を告げられた患者への対応 第38回 問題123 アウトリーチ 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

人と環境の理論と、実践モデル・アプローチで問われた内容

人と環境との交互作用に関する理論(9問)と、実践モデルとアプローチ(12問)に振り分けた21問の一覧です。

試験回 問題 問われた内容 第34回 問題98 システム理論に基づく対象の捉え方 問題99 ジャーメインのエコロジカルアプローチ 問題100 アプローチと提唱者 第35回 問題97 事例:ピンカスとミナハンの4つのシステム 問題98 事例:家族システムの視点 問題99 アプローチの特徴 問題100 エンパワメントアプローチ 第36回 問題97 事例:シュワルツの媒介機能 問題98 システム理論 問題99 治療モデル・生活モデル・ストレングスモデル 問題100 アプローチの特徴 問題101 事例:行動変容アプローチ 問題115 事例:解決志向アプローチの問いかけ 第37回 問題71 問題解決アプローチ 問題72 事例:実践モデルとアプローチ 第38回 問題66 事例:スモーリー 問題76 ピンカスとミナハンのターゲットシステム 問題77 ジャーメインとギッターマンのライフモデルの適応 問題113 事例:家族システムの好循環 問題119 事例:システム論に基づくアセスメント 問題122 アプローチの特徴 過去問をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

現行の出題基準ではほかの科目に含まれる問題

〇個人情報保護法(第34回問題115、第36回問題112)
〇意思決定支援のガイドライン(第34回問題93)
〇特別調整(第37回問題70)
〇性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(第38回問題69)
〇単一事例実験計画法(第38回問題117)

コメント

タイトルとURLをコピーしました